【レッスン室便り⑤】

(2018~19年度)


<目次>

日付順に並んでいますので、ご覧になりたい項目までスクロールしてください。

<2019年度>

3/20   動画撮影を通して!

3/1  「プリテンダー」を弾く!

2/16 小さな工夫をきっかけにして

2/8   音楽用語を「カード」に!

2/2 「積木」第2弾について

1/13 ビーズカウンターを練習の励みに!

12/15  クリスマスを楽しく!

12/7 「演奏動画」の活用

11/23「音階」の練習を通して!

11/17  改良版「音符積木」

10/20  アニメソングの活用

10/14「バーナム」の棒人形

9/28  「童謡曲集ノート」の目次

9/22 音符積木」を作ってみました 

8/25    発表曲のビデオ撮影

8/12 発表会(9/1)に向けて

7/28 リトミックの活用について

6/30 社会人の生徒さんについて

6/23    絶対音感を磨く音当てクイズ

6/9      音符カードによる気分転換!

5/12 連弾曲を通して!

5/5   連弾曲の選曲について

4/7   今年の発表会について  

<2018年度>

3/3      次のテキストに移る工夫

2/3 「遊び弾き」について

1/27 ドレミの歌」を通して 

1/14 イノシシにあやかって!

12/16   年の瀬のピアノレッスン!

12/1 クリスマスの曲にチャレンジ!

11/18   童謡曲集ノートの活用

11/4      テキスト選択について

10/28    合唱コンクールの伴奏

10/14  「バイエル」の長所と短所

9/30  「音符カード」での練習を通して

9/16     5つの音から始める

9/1     「体験レッスン」について

8/18     ショパンの「バラード」

8/4    「リハーサル練習」を取り入れて

7/21  「音の階段」を使って

7/15  「合唱コンクール」に向けて!

7/8      発表会をきっかけに!

6/24    連弾への取り組み

6/17  「楽典」の勉強について

6/10  「音の階段」について

6/3      9月の発表会に向けて

5/27  「アラベスク」に挑戦する! 

5/20    音符に色をつける!

5/13  「リクエスト」に応える!

5/6    「こいのぼり」を楽しむ!

4/28  「大きな鍵盤」を使ったレッスン

4/21   新しい曲の「ハードル」について

4/15 「使用教材の流れ」について

4/8   「音符カード」使っています 

4/1     初心者の方のテキストについて



<レッスン室便り>  

 

<動画撮影を通して!

2020.3.20更新

 今日は朝から強風が吹き付ける天気でしたが、風の感じは春を感じさせるもので、日中になり冬物の上着だと暑く感じる陽気になりました。桜の開花も一気に進みそうです。

 

 さてコロナの関係で学校がお休みとなる中、生徒さん達は普段より自由な時間が多いためか、それぞれ日頃にも増して練習に取り組んでくれています。

 

 もちろん我慢しながらの不自由な日々ですが、こうした時だからこそと発想を前向きに変え、普段なかなか出来ない基礎練習の振り返りや、やりたくても時間がなくて取り組めなかった曲への挑戦など、生徒さん毎に課題に取り組むことで、有意義な期間にしてもらおうとしています。

 

 そうした中、比較的難しい曲(モーツァルトの「トルコ行進曲」、ショパンの「ノクターン作品9ー2」、ランゲの「荒野のバラ」など)に取り組んでいる小学校高学年以上の生徒さん達が、練習の成果が出て、今週のレッスンで、課題曲の出来がそろそろ合格というレベルまで上達して来ました。

 

 そこで更に磨きをかけてもらいたいと考え、自宅練習用に、生徒さん達がレッスンで弾いている様子を動画に撮ってみることにしました。

 

 皆さん、動画というと緊張したりもしますが、形に残すとなると、満足の行く演奏にしたいと、繰り返し弾き直してくれています。

 

 3回目、4回目で漸く本人として納得出来る動画が撮れて嬉しげな生徒さん、何回か弾いてみて、満足な出来ではないけれど「今日はこれで良い!」という生徒さん、数回弾いた後「今日は上手く弾けなかったので、次回またチャレンジする!」という生徒さんなど、結果は様々です。

 

 ただ一様に普段に無い集中力を発揮して取り組んでくれていて、ご本人が気にする出来・不出来にかかわらず、練習にプラスになるのが良く分かります。

 

 自分がピアノを弾く姿を見るといのは、とても新鮮で、刺激になることだと改めて思いました。中には「グランドピアノのふたを開けて弾いてみたい!」などという生徒さんもいて、それも悪くないかと考え、その通りにしたりもしました。

 

 動画をお家で保護者の方、特に普段レッスンに来られないお父様なども交えて見て頂くことで、生徒さん達にとって一層の励みになるのではないかと思います。こうしたことも含めて、生徒さん達が、次回のレッスンまでに更に練習に熱心に取り組み、曲の上達ぶりが一層進むのではないかと今から楽しみです。


<「プリテンダー」を弾く!

2020.3.1更新

 今週は、寒の戻りと言うのでしょうか、朝晩かなり冷え込んだ日が続き、余計に春が待ち遠しくなりました。

 

 ところで新型コロナウイルスの感染が日増しに深刻になって来ています。そんな中、当ピアノ教室でも、ピアノの鍵盤はもちろん、ピアノのそれ以外部分で手を触れる箇所や、椅子、机、ドアノブなどを小まめにアルコールで拭いたりしています。

 

 またレッスン室にアルコール除菌のジェルを備えていて、生徒さんにはそれを使う様に勧めています。一日も早く事態が好転するのを祈るばかりです。

 

 さて今回は、「プリテンダー」のピアノ動画(下記参照)についです。

 

 「プリテンダー」は、皆さんご存知の通り、official髭男dismの大流行の歌ですが、最近、生徒さん達から、これをピアノで弾けるようになりたいという相談を受けています。

 

 実は「プリテンダー」のピアノ版は、意外に難しく、弾けるようになると「さすが!」となるのですが、攻略は容易ではなく、なかなか弾きこなるようになりません。

 

 そこで「お手本を見せて欲しい」と何人かの生徒さんから頼まれ、家でも見られるようにと「動画」を作ることにしたのです。

 

 目下人気の曲なので、楽譜も何種類か発売されていますが、折角ならと、本格的なアレンジのものを選びました。

 

 元々が歌用の曲なので、歌詞が多い箇所や、盛り上がりを見せる間奏部分は弾きにくく、またリズムを奏でる左手はJ-POPそのもの! 間違えずに弾けるようになるまでに、思いの外苦労しました。

 

 私は、普段、クラシック曲を弾くことが多いのですが、今回「プリテンダー」に挑戦して、ポップスならではの、リズム、気持ちの込め方、メロディと伴奏の音のバランスの妙などを再認識しました。

 

 当ピアノ教室では、「使用教材の流れ」でもご説明の通り、生徒さんにはクラシック主体で学んでいただいていますが、ピアノの世界の広がりを知るためには、時にそれ以外のジャンルの曲に挑戦してみることも有意義です。

 

 そうした意味で、今回の動画が、生徒さん達の練習の一助となり、改めてピアノの楽しさや奥深い魅力を感じるきっかけにもなればと思っています。


<小さな工夫をきっかけにして

2020.2.16更新

 先週は、結構暖かい日もありましたが、今日はあいにくの雨模様で、少し肌寒い陽気に逆戻りでした。これぞ三寒四温! 確実に春が近づいて来るサインだと思うことにしました。

 

 さて今回は、ここのところ何回かご紹介している音符のカードと、以前ご紹介した「童謡曲集ノート」のレッスンでの活用についてです。

 

 まず音符のカードの続報ですが、このカードを、レッスンの最後に行う音読み練習の際にクイズ形式で使っています。これをレッスンのたびに繰り返すことで、「音読み」の定着化を図るのです。

 

 ところで音符カードは元々33枚(ト音記号:18枚、ヘ音記号:15枚)でしたが、何回か繰り返すうちに、生徒さんが慣れて、短時間で出来る様になってしまったので、新たに8枚(ト音記号:3枚、ヘ音記号:5枚)を増やすことにしました(下記の写真参照)。

 

 新たなカードが加わることで、マンネリを防ぎ、生徒さん達が引き続き熱心に取り組んでくれることで、音読み練習が更に進めばと思っています。

 

 尚、余談ですが、カードの裏面(答えの部分)は、生徒さんに書いてもらうことにしていますが、今回の追加分のカードに生徒さんが書く「字」が、以前の時よりずっと上手になっていました。音楽だけでなく、その他の面での成長もうかがわれて、たのもしく思いました。

 

 一方の「童謡曲集ノート」ですが、こちらは初心者の生徒さん向けにレッスンで使っているものですが、以前作ったもの(2019年9月28付「「童謡曲集ノート」の目次」の項参照)がなかなか好評なので、今回、曲を増やして、2冊目を作ることにしました(下記の写真参照)。

 

 「童謡曲集ノート」も、生徒さんにお渡しをしているものですが、新しい曲の「仲間」が加わることで、より関心を持ってくれればと思っています。

 

 音符のカードも、童謡曲集ノートも、とても小さな工夫ですが、これらをきっかけにして、生徒さん達がレッスンを楽しいものと感じ、少しでもピアノへの興味を深めてくれたら嬉しい限りです。


<音楽用語を「カード」に!

2020.2.8更新

 今朝も厳しい寒さでしたが、日中の日差しには多少暖かさが感じられて、立春を過ぎたのを思い起こしました。来週は気温が上がり、春一番が吹くかも知れないとのこと。漸く「春」の足音が遠くに聞こえ始めるかと思うと、楽しみです。

 

 さて、今回は、新しく作った「音楽用語カード」についてです。

 

 前回、音楽用語(速度用語、強弱用語、発想用語)を書いた「積木」を作って、主に年少の生徒さんに使ってもらうことにしたことをご紹介しましたが(2月2日付け「「積木」第2弾について」参照)、今回の「カード」は、中級レベルの生徒さん向けに、音楽用語をカードに書いたものです。

 

 「カード」の表面には、イタリア語で音楽用語(例えば、「Allegro」)と書き、裏面に、①カタカナで読み方(「アレグロ」)、②意味(「速く」)を、書いています。

 

 また9枚ある速度記号の場合には、以上に加えて、裏面に、速い順の番号(⑨~①)と、関連するイラストも載せていて、速さ/遅さのイメージを感覚で分かってもらう様に工夫しました。

 

 例えば一番速い「Presto」(プレスト。急速に)は「⑨番」で飛行機の絵を描き、「Allegro」(アレグロ。速く)は「⑦番」でチーターの絵を、また最も遅い「Largo」(ラルゴ。幅広く緩やかに)は「①番」で、ゆったりと流れる川の絵を示す、と言った具合です(下記の写真参照)。

 

 「カード」の使い方は、まず表面のイタリア語を見て、意味と読み方を考え、裏を返して答え合わせをするというもので、単語カードの様に繰り返しこれを行うことで、音楽記号を身につけてもらうということです。もちろん、この逆に、裏面を見て、表面のイタリア語を当てるということも出来ます。

 

 中級レベルの曲を練習している生徒さんには、全員に一組ずつこの「カード」を差し上げて、お家でも繰り返し使ってもらうことで、楽しみながらしっかりと覚えてもらおうと考えています。

 

 音楽用語は、無味乾燥なものと思われがちで、確かに馴染みのないイタリア語のものが多いので、どうしても敬遠してしまうところがありますが、今回の「カード」を使ってなるべく楽しみながら用語に慣れ親しんでもらうことで、自然に身につけてもらえればと思っています。


<「積木」第2弾について

2020.2.2更新

 先週は暖かい日もあり、ホッと一息という感じでしたが、週末にかけて寒さが戻り、今日も良いお天気ながら、北風があり、身を縮める様な陽気です。

 

 さて今回は、先日完成させたばかりの、第2弾の「積木」についてのご紹介です。

 

 以前作った最初の「音符積木」(2019年9月22付「音符積木を作ってみました」の項参照)は、お陰様で生徒の皆さんやご家族の方々に好評で、レッスン中に興味を持って触って頂いています。

 

 とかく勉強の要素のものは敬遠され勝ちですが、これが積木に書かれていると、触れて遊びながら自然に身についていく様です。

 

 そこで、今回、「積木」の第2弾として、思い切って、音楽用語を書いたものを作ってみたのです。

 

 つまり「3cm×9cm×1.5cm」の大きさの積木を使い、

 

  ①速度用語:Allegro(アレグロ。速く)、Largo(ラルゴ。遅く)など

  ②強弱用語:f(フォルテ。強く)、(p(ピアノ。弱く)など

  ③発想用語:agitato(アジタート。激しく)、brillante(ブリランテ。華やか

   に)など

 

を、表面にイタリア語や記号を書き、裏面にその読み方や意味を書きました(下記の写真参照)。

 

 音楽用語は、もし覚えていなければ、その都度調べれば分かるものですが、楽譜の中で用いられる決まり文句なので、頻度の高いものは覚えておかないと面倒ですし、試験の対象になったりもするので、慣れ親しんでおくと何かと便利です。

 

 積木の数が多過ぎても使いにくいので、必要な用語を選んだのですが、結果的に60個のピースがある、巨大な積木になってしまいました。

 

 f(フォルテ)やp(ピアノ)など簡単なものから、上級の生徒さん向けのものも含めて幅広くカバーしたものなので、遊び感覚で身についてもらえれば、年齢を問わずに、音楽知識をより広げてもらえる内容となっています。

 

 音楽を文字通り、「音を楽しむ」ものとするのが、当ピアノ教室のモットーですが、その意味で「積木」はその原点に根ざすものです。皆さんの反応が楽しみです。


<ビーズカウンターを練習の励みに!

2020.1.13更新

 新年明けましておめでとうございます。今年も頑張っていきたいと思いますので、遅ればせながら、引き続き宜しくお願いし「マウス」。

 

 さて1月6日に今年のレッスンを始めてから、ちょうど1週間が経ちました。生徒さん達は、それぞれご家族と楽しい冬休みを過ごした様子で、皆さん元気で充実した顔を見せてくれています。

 

 ところで前項でご紹介したビーズカウンター(去年のクリスマスに生徒の皆さんに差し上げたもの。下記の写真参照)ですが、思いの外評判が良く、「家での練習の励みになった!」などの感想を、何人もの方から頂きました。

 

 こうしたことから、レッスン中もピアノの上にこのカウンタービズを置いて、回数チェックに使っています。

 

 特にまだ年齢の低い生徒さんで、練習を繰り返すのが苦手な場合には、「きっともっと上手なるから、今ここで5回弾こうね!」と声を掛け、ビーズを一つ一つ動かすのを励みにしてもらいながら、練習の回数を重ねて行く内に、だんだんと「5回」弾くことに慣れて来る様です。

 

 音楽では、反復練習の積み重ねが大切ですが、たとえそれが分かっていても、無味乾燥な「正」の字を書きながらの回数カウントでは、時に嫌気がさしてくることもあります。ビーズカウンターの活用が、そうしたことを少しでも和らげてくれるのであれば、嬉しい限りです。

 

 ピアノのレッスンでは、ちょっとしたことで、練習に身が入ったり、やる気が出たりということがあると思います。ビーズの活用はその一例ですが、その他に「よくできましたシール」や練習の記録をつけるノート等も取り入れるなどして、生徒さんの練習がはかどる様にしています。

 

 今週の連休明けから、幼稚園、保育園、学校が通常のスタイル・雰囲気に戻るので、生徒の皆さんが勉強に、そしてピアノに落ち着いて向き合える様になると思います。

 

 そうした中、私も、出来る限りの工夫をし、一人一人に何が相応しいのかを考えることで、レッスンを少しでも有意義なものにして行ければと思います。


<クリスマスを楽しく!

2019.12.15更新

 今日は朝から北風が吹き付け、外に出るのがためらわれる様な冷え込みでしたが、昼にかけて風が収まると、多少しのぎ易い陽気になり、ホッとしていま

 

 さて、後1週間余りでクリスマスです。毎年ピアノ教室の生徒さんには、何かしらのプレゼントを用意するのですが、今年は、「ビーズカウンター」とピアノの楽譜を差し上げることにしました。

 

 「ビーズカウンター」は、下記の写真の通り、針金にビーズを通して作ったもので、このビーズを左右に動かすことで、ピアノの練習回数をカウント出来るものです。ゴルフでもスコアを数えるための「ビーズカウンター」を使うことがありますが、用途としては同じです。

 

 この「ビーズカウンター」は、今、ピアノを教える先生達の間で密かに流行っているもの、今回、私が手作りで作成しました。大きさは、高さ10cm ×  横7 cm位の小さなものなので、ピアノの上にチョコンと置いておいて、小さな飾りとして楽しんでもらいながら、練習の際にも活用してもらい、励みにしてもらえればと思っています。

 

 一方の楽譜ですが、これは各生徒さんが、次の段階で必要なものを考え、生徒さん毎に選びました。こちらは、実用的なものなので、必ずしも生徒さんにとって嬉しいものではないかもしれませんが、もし興味があれば、パラパラとめくって、弾きたい曲などを探して欲しいと思っています。

 

 「ピアノのレッスン」というと、無味乾燥なものを想像し勝ちな方もいらっしゃると思いますし、もちろん地道な練習が伴う部分もありますが、決してそうしたことばかりではありません。むしろ、お子さん達の素直な喜びや、楽しさなどに寄り添って行けるところもあると思っています。

 

 そうしたこともあって、クリスマスに因んでささやかなプレゼントを用意しているのですが、この他に、レッスンでクリスマスの曲を取り上げたり、レッスン室にクリスマスの人形や飾りを置いたりしています。

 

 生徒さんにとって、一大イベントであるクリスマスならではの雰囲気を一緒に盛り上げ、楽しんでもらうことで、音楽をより身近なものに感じてもらえればと思っています。


<「演奏動画」の活用

2019.12.7更新

 今日は今年一番の冷え込みとのことで、日中になっても気温が上がりません。気がつけば今年も残すところ3週間余り! そう言えばと思って、クリスマス飾りを取り出して飾ったりし始めました。

 

 さて今回はレッスンの補助教材としての演奏動画の活用についてです。生徒さんも学年が上がると、学校の勉強やクラブ活動等で忙しくなり、ピアノの練習に割ける時間が少なくなります。

 

 その一方で、自分で弾きたいと思う曲は、ある程度難しい曲であったりするので、効率的な練習を心掛けないと、なかなか前に進めません。そんな時に、お薦めなのが、「演奏動画」の活用です。

 

 実は今、当教室でショパンのノクターン第2番(作品9ー2)に取り組んでいる中学生の生徒さんがいます。

 

 これは大変有名な曲なのでご存知の方も多いと思いますが、この生徒さんも、この曲が気に入っていて、時々聴いたりする内に、自分でも弾いてみたいと思うようになり、勉強したいとリクエストしてきました。

 

 ただこの生徒さんも、学校関係の行事や活動で忙しく、なかなかピアノの練習に時間を掛けられません。

 

 そこで、ユーチューブ等でアップされている「演奏動画」を見て、曲の全体の構成やメロディ、和声などを理解してから、曲に取り組んだところ、いつも以上にスムーズに練習が進み、比較的短時間で上達しています。

       

 また別の小学生の生徒さんは、学校の音楽会で「アフリカン・シンフォニー」(アメリカの作曲家、ヴァン・マッコイの曲。高校野球の応援でも用いられる人気曲)のピアノ・パートのオーディションを受けることになり、短時間で仕上げる必要があったので、私が演奏動画(下記参照)を作って見てもらい、参考にしてもらいました。

  

 このように、小学校高学年や中学生以上の生徒さんの場合には、適宜演奏動画を活用しながらレッスンを進めてもらうことがありますが、このような工夫で、練習がはかどり、いろいろな活動をしながらも、2~4ヶ月くらいで1曲を仕上げてもらったりしています。

 

 最近はユーチューブなどで、簡単にいろいろな演奏動画を見ることが出来るようになり、音楽を聴覚だけでなく、視覚も動員しながら曲のイメージを作り上げられるようになりました。

 

 もちろん最後は自分なりの曲に仕上げて行く訳ですが、入り口段階で動画を使うことで、時間の節約を図ることは、ピアノをその他の活動と両立させる上で有効な手段だと思います。

 

 小学生や中学生の多感な時期に自分のものにした曲は、その後も忘れず、一生のレパートリーになります。忙しさの合間を縫って、ピアノを続け、1つでも多く「レパートリー」を増やし、自分の心の財産にしてくれればと思っています。


<「音階」の練習を通して!

2019.11.23更新

 今日は寒天の下、雨が降りしきり、一層寒く感じます。来週の初めには20度を超える日もあるものの、その後はまた寒さが戻り、冬模様が強まって行く様です。

 

 さて今回は「音階」の練習についてのお話をしてみたいと思います。

 

 ピアノを習っていると、楽譜を見て弾くだけでなく、耳で聞いて覚えた音楽を弾いてみたい等と思う様になります。

 

 こうしたことを容易にするには、音感を養うことが必要ですが、その手段の1つとして、12種類の音階(スケール)を練習する方法があります。

 

 ここで「音階」についてのおさらいですが、「ド」から始まる「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」のことを「ハ長調」と言います。この始まりの音を変えて、「ハ長調」と同じ間隔で音を並べると、別の「長音階」になります。

 

 「ド」から次の「ド」までの間には、半音(黒鍵)も入れると12の音(「ド、#ド、レ、#レ、ミ、ファ、#ファ、ソ、#ソ、ラ、#ラ、シ)がありますから、12種類の長音階が存在することになります。

 

 こうした様々な長音階に慣れ、弾き分けることで音感が養われて、聞いた曲をピアノの音として認識し、鍵盤上で再現することが出来る様になっていきます。

 

 そこで当ピアノ教室のレッスンでは、なるべく早い段階から、いろいろな調性に慣れてもらうための練習を取り入れています。

 

 「音階」の練習については専門のテキストもありますが、まずは1枚物のプリント(下記の「導入として使っている12種類の音階」参照)を使い、右手で12種類の調性を練習してもらうことにしています。

 

 練習に際しては、生徒さん達に、①指使いを守る、②一定のテンポで弾く、③なめらかに弾く、の3点に気をつけて弾いてもらいます。

 

 生徒さん達も、最初の内は、指使いが上手く行かず、苦戦することが多い割には、音階がシンプルなためか、意外に抵抗感は少ない様です。

 

 これが一通り出来る様になると、興味や意欲のある生徒さんには、テキスト(下記の「ハノン(楽譜)より音階練習のページ」参照)を使ったを使った次の段階に進んでもらうつもりですが、最初のプリントでの練習で基礎固めをしっかりと行っていることから、比較的スムーズに進むと思います。

 

  「音階」をしっかりと身につけると、音楽を楽しむ幅がグッと広がって行きます。冒頭に書いた「聞いた音楽を音にする」ということはもちろんですが、例えば、ジャズピアノの演奏でよく行われる即興演奏等も、その延長線上にあるものです。

 

 生徒さん達にも、プリントでの練習にあたって「この12種類の音階が弾ける様になると、曲の移調がすぐに出来て、歌のキーの上げ下げも簡単に出来るのよ!」等と言って励ましています。

 

 「音階」の基礎をしっかりと身につけることで、生徒さん達が、それぞれの楽しみ方を見つけ出し、ピアノを通して接する音楽の世界を一層広げていってくれればと思っています。


<改良版「音符積木」

2019.11.17更新

 朝晩すっかり肌寒くなり、コート姿の人を多く見かけるようになりました。気がつけば今年も後1ヶ月半を切り、冬の足音が近づいて来ているのを感じます。

 

 さて今回は、この9月にご紹介した「音符積木」(9/22付「音符積木作ってみました」の項参照)の改良版を作ったことについてです。

 

 「音符積木」は、積木に音符の絵を描いたもので、積木の長さが音符の長さを示していて、初心者の生徒さんが音楽に興味を持ってもらえるようにとレッスンで導入したものですが、なかなか好評です。

 

 導入当初は、木の箱から積木を取り出して並べる遊びを想像していて、勿論そうして楽しむ生徒さんもいるのですが、むしろ殆どの生徒さんは、箱の中での並べ換えの方に興味があるようです。

 

 そして多くの生徒さんから、「縁の隙間を埋めるための丸い積木は要らない!」とか、「細い隙間にもピッタリと埋まるような積木を増やして欲しい」などのリクエストを受けるようになりました。

 

 そこで今回、丸い積木を取り外して、新たに作った「音符積木」に入れ替えた改良版のセットを作ってみたのです(下記の写真参照)。

 

 実は、新しい積木を作るのは意外に大変でした。作業としては、固い木片を、のこぎりで丁度良い大きさに切ってから塗料を塗り、音符のイラストを描いた後、ニスを塗って仕上げるシンプルな工程ですが、不慣れなこともあり、結構時間がかかりました。

 

 それでも出来上がった改良版の積木セットを見た生徒さん達には、大変喜んもらい、今まで以上に夢中になって箱の中での積木の並べ換えをやってくれています。生徒さん達の嬉しそうな顔を見るにつけ、改良の苦労の甲斐があったと思いました。

 

 音楽の理解を深めて行く道は様々で、特に感受性の豊かな小さいお子さんの場合には、五感を総動員することで、音楽への距離を縮めて行くところがあります。

 

 その意味で、生徒さん達が、好きな「音符積木」に触れ、それを使った遊びを通して、楽しみながら音符についての理解を深め、「音符積木」が「音」についての感覚を養なう上での一助になってくれればと思っています。


<アニメソングの活用

2019.10.20 更新

 昨日は長袖でないと寒いと感じる気温でしたが、今日は多少暖かさが戻り、秋らしい、気持ちの良い陽気となっています。暫くこうした穏やかな天気が続いてくれればと思います。

 

 さて今回は、バイエルの勉強をしている生徒さんに、時々並行して弾いてもらっているアニメソングについてです。

 

 当ピアノ教室では、小学校くらいの生徒さんレッスンには、基本を学んでもらうための「教則本」(「バイエル」など)と、題名のついた曲が載っている「曲集」(「夢みるピアニスト」など)のいずれか、または双方の併用をしています(「使用教材の流れ」の項参照)。

 

 この中で、バイエルを代表格とする「教則本」は、ピアノの基礎を身につけるために、是非継続的に取り組んでもらいたいのですが、テキストの性格上、楽しい曲、弾き易い曲ばかりが続く訳ではありません。

 

 生徒さんとしても、「このテキストを仕上げれば、ピアノが上手になる」と頭では分かっていても、基礎練習の曲が続くと、飽きが出たり、大変だなと感じることがあります。

 

 そんな時に、多少目先を変えて、気分転換をしてもらうために、「うたえる! ひける! ぴあの曲集」などの、アニメソングを集めたテキストを使うことがあります(下記参照)。

 

 このテキストは、下記の目次の通り、子供に人気のある、楽しい曲がたくさん載っているので、生徒さんも興味津々です。

 

 どの曲を弾くのかも、大抵は生徒さん自身に決めてもらいますが、皆さん大変嬉しそうな表情を浮かべながら、曲選びをしています。

 

 もちろんアニメソングは「教則本」のサポート役なので、家でアニメソングをどこまで弾くのかは、生徒さんに任せていますが、それでも、多くの生徒さんは、アニメソングを自主的に練習して、次のレッスンで弾いてくれたりします。

 

 音楽とは、文字通り「音を楽しむ」もので、将来「ピアノで自分の好きな曲を自由に弾けるようになるこ」とが、レッスンの大事な目標の1つだと思います。

 

 そのためには、基礎的な練習をコツコツと積み上げ、スキルを磨いていく必要がありますが、それに耐えられず、途中で諦めてしまうこともあります。

 

 そうした残念なケースを出来るだけ減らし、音楽への関心を持ち続けてもらうように工夫することも、講師としての大事な役目だと考えています。

 

 その意味で、生徒さん達が、好きなアニメソングを弾くことを通して、音楽の楽しさや喜びを改めて感じ、練習を続ける上での拠り所としてくれるのは嬉しい限りです。


<「バーナム」の棒人形

2019.10.14 更新

 猛威を振るった台風も漸く過ぎましたが、大変な爪痕を残していきました。被害に遭われた地域の一日も早い復興を心よりお祈り致します。

 

 さて今回は、初心者の生徒さんの教材として使っている「バーナム」についてご紹介します。

 

 初心者の生徒さんには、「みにみにこんさーと」、「うたえる! ひける! ピアノ曲集」などの楽しい童謡がたくさん載っているテキストを主として使っています(「使用教材の流れ」の項参照)。

 

 そして更に余裕のある生徒さんや、保護者が希望される生徒さんに、補助教材として使っているのが、「バーナム  ピアノ  テクニック」です。

 

 この本は、指の練習を目的に、子供用に作られたものですが、1曲、1曲がとても短く、題名がついていて、その題名に合わせた「棒人形」の挿し絵が描かれているのが特徴です(下記の写真参照)。

 

 この「棒人形」挿し絵は、日常生活で、私たちが経験している動作や、運動などを題材にしたものなので、親しみ易く、小さい子供でも曲想を想像し易いものとなっています。

 

 実はこのテキストは、アメリカの女性作曲家で教育者でもあったエドナ・メイ・バーナムが、1950年に出版したものですが、この「棒人形」はバーナム自身が描き、テキストに載せたものです。

 

 ピアノの指の練習は、無味乾燥なものとなりがちですが、この「棒人形」など、子供が興味を持つ様に工夫されているので、テクニックの勉強を比較的抵抗感無く出来るのが特徴で、私の生徒さん達も大変気に入って、レッスンも順調に進んでいます。

 

 因みに「バーナム」はアメリカで絶大な人気を博し、その後シリーズとして刊行され、日本にも紹介されたものです。

 

 ピアノの勉強は、レベルが上がって行くと、音楽を表現する上での感性や、読譜力など、総合的な力が必要になって来ますが、その基礎になるのは、指の技術です。

 

 指の技術の基礎訓練を、初期の段階から積み重ねていけば、やがてその上に大輪の花を咲かせることが出来るものと思います。その意味で、生徒さん達が、「バーナム」の「棒人形」の独特の世界に親しみながら、楽しく、指の練習を続けてくれればと思っています。


<「童謡曲集ノート」の目次

2019.9.28 更新

 日中も大分過ごし易くなって来ましたが、朝方などは、肌寒く、長袖が必要な日も出て来ました。丁度良い陽気が出来るだけ長く続いてくれればと思います。

 

 さて今回は、「童謡曲集ノート」の目次についてです。童謡曲集ノートについては、これまでもこの項で何回か取り上げて来ましたが、ピアノを習い始めたばかりの初心者の生徒さん向けに使っている、手書きの曲集です(「使用教材の流れ」の項参照)。

 

 この曲集は、当ピアノ教室の初期の頃から使っていて、現在50曲くらいになりますが、昔からの童謡だけでなく、その時々の流行の曲や、生徒さんのリクエストをもとにして、書きためて来たものです。

 

 誰もが知っていて、また音符が易しい曲を集めているので、生徒さんには取り組み易いところがあり、レッスンの時などに、宿題では無いのに自発的に練習をして来て、「こんなに上手になったよ」と弾いてみせてくれたりもします。

 

 またこの曲集を「卒業」して、バイエルに進んでいる生徒さんに、「こいぬのマーチ」の両手用の譜面を宿題として渡したところ、「これは前にイヌのノートの曲集で弾いた」と言って、その場でレッスンバックからイヌの表紙の「童謡曲集ノート」を取り出して、弾いてくれたこともあります。

 

 その「童謡曲集ノート」の目次を作ってみました(下記参照)。全部の中から定番の30曲を選んで一覧にしたものですが、多少イラストも加えて、生徒さんがより関心を持ってもらえる感じにしました。

 

 一覧にすることの利点は、まず目次を使うことで、曲の選曲がやり易くなり、レッスンの次の曲を決める際に役立つということがあります。

 

 そしてそれ以上に大事なのは、生徒さんがこの目次を見ることで、知っている曲、リクエストした曲等がいっぱい詰まっていることを実感してもらい、わくわくする様な音楽を楽しむ気持ちを自然に理解してもらうことにあります。

 

 この「音楽を楽しむ気持ち」は、初心者の生徒さんがレッスンへの関心を高める上で重要なのは言うまでもありませんが、音楽の習い始めにこうした感覚を持った経験は、その後の習熟の基礎になるものと思っています。

 

 音楽の勉強が上の段階に進み、課題が難しくなってくると、どうしても嫌気がさしたり、諦めたりということになりがちですが、そうした時に、「童謡曲集ノート」を通して音楽を楽しいと感じた原点を振り返ることが、またレッスンに向かおうとする「糧」になるものと思います。

 

 「童謡曲集ノート」はまだまだ発展途上で、これからも生徒さんのリクエストやその時々の新しい曲を取り混ぜて更に充実した顔ぶれにしていきたいと考えています。下記の一覧には含めていませんが、最近も「ドラえもん」や「アブラハムの子」を書き足しました(下記の譜面参照)。

 

 生徒さん達とのキャッチボールのツールとして、そして音楽の楽しさを詰め込んだ宝箱として、これからも「童謡曲集ノート」を活用していきたいと思います。


<「音符積木」を作ってみました

2019.9.22 更新

 朝晩は少し涼しくなってきました。日中の暑さも今週後半にはおさまってくる様なので、長い夏も漸く終わりそうです。

 

 さて発表会(9月1日。「発表会」の稿参照)が終わって約3週間になりますが、どの生徒さんも新たな曲に真面目に取り組んでくれていて嬉しい限りです。

 

 発表会で難しい曲に挑戦したことで演奏スキルが上がり、それを実感してくれている生徒さんや、毎日ピアノの練習をすることが習慣になった生徒さんなど、それぞれにとって実りの多い発表会でした。

 

 ところで、私は、発表会の後、多少出来た時間を利用して、積木で音符を表した「音符積木」を作ってみました(下記の写真参照。積木に音符の絵を描いたもので、積木の長さが音符の長さを示しています。1セット作るのに数日かかりました。

 

 レッスンでも早速生徒さんにいじってもらっていますが、色合いの可愛さや、音符の長さの違いを積木を通して実感してもらえることなどから、皆さん興味を持ってくれています。

 

 また就学前の生徒さんには、太鼓のバチやカスタネットで、並べた音符積木のリズムをたたいてもらい、リズム感を遊びの中で養ってもらうつもりです。

 

 音楽を始めたばかりの生徒さんの場合、見慣れない音符に対して抵抗感を持ったりする場合がありますが、音符積木を使うことで、それを少しでも和らげ、音符を身近なものと感じてもらうきっかけになればと思っています。


<発表曲のビデオ撮影

2019.8.25 更新

 今日は朝方こそ少し涼しさがありましたが、日が昇るにつれて気温が上がり、引き続き厳しい暑さとなりました。日中の暑さが和らぐまでにはまだ暫く時間がかかりそうです。

 

 さて9月1日の発表会が迫る中。生徒の皆さんは、大変熱心に練習に取り組んでくれていて心強い限りです。

 

 そうした中、先週は、出演する生徒さん一人一人の演奏動画をスマートフォンで撮りました。私が撮ったものもありますし、保護者の皆さんに撮って頂いたものもあります。また連弾については、保護者の方もご一緒に撮影しました。

 

 録画は、本番を意識して、最初のお辞儀から撮り始め、その後の演奏、そして最後のおじぎに至る一連の流れを、全てノーミスで行うことを目指して撮り進めました。

 

 これまで飽きる程練習を重ねてきた曲ですが、いざノーミスでの演奏となると意外に難しく、どの生徒さんも4回~5回の撮り直しをして、漸く満足のいく動画が撮れるという感じでした。45分間のレッスンの殆どを録画に充てた場合もありました。

 

 なかなか「ノーミス」にならないのは、ビデオが回っていることで、緊張感が生まれるからで、多少のプレッシャーがある中でも発表曲を弾ける様になると、本番で力を発揮し易くなると思います。 

 

 また「ノーミス」を果たすためには、演奏に集中することが必要になりますが、演奏時に曲に集中する感覚をつかむことが、本番の良い予行演習になったのではないかと思います。

 

 更に自分の演奏をビデオで見返すことで、自分で弾いている時には分からなかった「気づき」がある場合も多く、こうしたこともビデオならではの効用です。「発見」は演奏の他、例えば演奏する時の姿勢の良し悪しについてのものもあったりします。

 

 保護者の方がレッスンに同席しておられない場合には、動画を保護者の方にお送りしたりもしており、ご家庭でご一緒に見て頂くことで、「発見」が更に進むものと思います。

 

 発表会まで残り1週間。来週は本番前の最終レッスンとなりますが、生徒の皆さんと一緒に、最後まで発表曲に取り組むことで、皆さんが、それぞれ最も良い形で本番を迎えられる様にしていければと考えています。


<発表会(9/1)に向けて

2019.8.12 更新

 連日の猛暑ですが、今日は雲が出ていて、朝方は暑さが多少和らいだ様に感じました。もっとも昼にかけて気温は上昇し、相変わらずの蒸し暑さとなりつつあます。

 

 さて9/1の発表会(「発表会」の稿参照)まで、残り3週間と言う時期になって来ました。発表会のプログラムと当日の出演者向けのプレゼントの準備も整いました(下記の写真参照)。

 

 発表会には、当ピアノ教室の大半の生徒さんが出演されますが、皆さん酷暑の中、大変熱心に取り組んでいます。

 

 発表会では、普段より難易度の高い曲に挑戦してもらっていますし、本番は基本的に暗譜での演奏を推奨していますので、生徒さんは程度の差こそあれ、苦労する部分がありますし、特に今回初めてという生徒さんにはプレッシャーがある様に思います。

 

 それを克服するには、レッスンと宿題のコンビネーションの積み重ねが普段以上に大事になりますが、夏休みのこの時期、各生徒さん毎に、旅行や帰省等の予定があり、通常通りのスケジュールでレッスンに来られない場合も多いので、日程変更をしてレッスン回数が減らない様にしています。

 

 レッスンでは、本番さながらに、私が司会役で、生徒さんのお名前と曲名とを「アナウンス」し、生徒さんにはピアノの前でお辞儀をしてもらい、その後で曲を弾いてもらったりしています。

 

 既に多くの生徒さんの場合、「暗譜」で間違えなく弾けるレベルまで来ていますが、更に演奏に磨きをかけようと頑張っていて、こちらのアドバイスにも熱が入ります。

 

 通常のレッスンだけでは不安という生徒さんには補講を行う等しています。講師として出来る限りのことをすることで、生徒さん達には、一回勝負の本番で力を発揮してもらえればと考えています。

 

 尚、私自身も、「講師演奏」の部で、ショパンの「幻想即興曲」と、米津玄師の「Lemon」を自身でアレンジしたものを演奏するので、練習に励んでいます。是非、生徒さん達と一緒にこの暑い夏を乗り切り、発表会を良い形で迎えられればと思っています。


<リトミックの活用について

2019.7.28 更新

 先週から本格化した暑さに、台風崩れの低気圧の影響で湿気も加わり、大変な蒸し暑さです。多少風があるのが救いですが、いよいよ夏本番の到来という感じです。

 

 さて、今回はリトミックについてです。リトミックは、もともとは、スイスの音楽教育家で作曲家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズ(1865~1950)が発展させた音楽学習の方法論の1つで、運動を通じて音楽を学び経験するというものです。

 

 このリトミックは、ピアノレッスンの前段階としても用いられていて、最近は幼稚園に入る前のお子さんの人気のおけいこの1つにもなっています。

 

 当教室でも、3歳から4歳の導入期の生徒さんのレッスンに、これまで本稿でご紹介した、手作りの「童謡曲集ノート」や、「音符カード」を使ったドレミの勉強や絶対音感を養うための「音あてクイズ」等と並んで、このリトミックを、ご希望に応じて取り入れています。

 

 具体的なリトミックの活用法ですが、「たのしいリトミック&リズムあそび」や「子どもがときめく人気曲&どうようでリトミック」等のテキスト(下記写真参照)等から対象の曲を選定します。

 

 リトミックの手法は様々ですが、例えば、上記で選んだ曲を私がピアノで弾き、生徒さんに、それに合わせて、体を動かしてもらいます。リズム、メロディ、強弱等の課題があり、それらを体の動きで表現してもらうのです。

 

 体の動きという遊びの要素があり、また用いる曲も子ども向けのものなので、楽しくレッスンを進められ、リラックスした雰囲気の中で音に対する感覚を養って行きます。

 

 リトミックは、宿題も無く、ピアノのスキルを磨きたいと言う生徒さんには物足りないものかもしれませんが、その一方、導入段階のお子さんに、音楽やピアノに興味を持ってもらうと言う意味では有効な手法だと思います。保護者の方のご希望があれば、是非遠慮無くご相談頂ければと思います。  


<社会人の生徒さんについて

2019.6.30 更新

 梅雨模様のはっきりしない天気が続いていますが、気温は少し低めで、むしろ過ごし易いところもあります。梅雨明けが待ち遠しくはありますが、その後の猛暑到来を思うと、複雑ではあります。

 

 さて今回は社会人の生徒さんについてです。当ピアノ教室では、お子さんの生徒さんが多いのですが、社会人の生徒さんも張り切ってレッスンに臨んでおられます。

 

 最近では、幼稚園・保育園のイベントで、保育士として、「たなばた」の歌の伴奏をすることになった方が来られ、ご相談を受けました。

 

 楽譜を拝見すると、良く知られている「笹の葉さらさら」の歌詞の曲ではなく、昔からある短調の「たなばた」でした。

 

 童謡自体は簡単な曲ですが、ピアノ伴奏はかなり難しくアレンジされていて、短い時間で弾きこなす様になるのは難しい内容であることが分かりました。

 

 そこで、原曲の雰囲気は残しつつ、よりシンプルな形に曲を書き変えることにしました。つまり、前奏と後奏の部分は原曲のままとする一方で、曲の真ん中の部分は、歌のメロディを右手にし、左手はそれを支える和音を、基本の3種類に絞って弾く形に整理してみたのです(下記参照)。

 

 これで限られた時間の中でも弾ける目処が立ち、生徒さんも安心して練習に取り組めるようになり、本番に向けて、着実に上達して来ています。

 

 社会人の方の場合は、ピアノを習う動機や目標、ピアノの技術的なレベルも様々です。また時間的制約が厳しいケースが殆どです。

 

 そこで、各生徒さんの希望をよくお聞きし、個々のご事情を充分に踏まえた上で、指導方法や教材選択を行う様にしています。

 

 そうしたことを通して、レッスンを出来る限り有意義なものとし、各生徒さんが密度の濃い時間を過ごして頂ける様にしたいと思っています。


<絶対音感を磨く「音当てクイズ」

2019.6.23 更新

 この週末は、どんよりとした曇り空の下、時々雨が降りかかるので、傘を手放せない天気です。週間予報を見ても、なかなか晴れの日が続かず、しばらくは梅雨特有のはっきりしない天気が続きそうです。

 

 さて今回は、レッスンの中で絶対音感を磨いてもらうために、時として取り入れている「音当てクイズ」についてご紹介します。

 

 「絶対音感」とは、音を聞いて、それが何の音符に当たるのかを聞き分けるもので、最近はスマホでもアプリが何種類も登場するなど、大人の方でも身につけたいという方が増えている様です。

 

 「音当てクイズ」ということで、ピアノの88の鍵盤の中から、いきなり1つの音を弾いて、「今の音は?」と聞くということを想像されるかもしれませんが、そうではありません。

 

 「クイズ」では、まず始めに、クイズで出題する音を5~6個、鍵盤上で示し、出題範囲を特定します。その上で、4拍子の1小節分、3~5個の音をリズムをつけて弾き、生徒さんに聴いた「音」を音程をつけた「ドレミ」で歌ってもらうのです。

 

 分章で説明すると、難しそうに思われるかもしれませんが、実際には生徒さんに楽しんで取り組んでもらっています。尚、以上の流れを、簡単に5線譜に書いてみましたので、下記をご参照下さい

 

 もし1つの音だけをいきなり聞いて当てるとなると、生徒さんはそれなりに緊張しますし、特にピアノを習い始めて間が無い生徒さんの場合、そうしたやり方では難し過ぎて、却って苦手意識を持ってしまいます。

 

 その点、「音当てクイズ」では、予め候補となる音を絞り、「音楽」の形で出題して答えてもらうので、多少間違っていても、生徒さんもそれ程気にせず、楽しんで取り組んでくれています。

 

 ピアノのレッスンと言うと、どうしても目の前の曲を弾きこなすことに意識が行き勝ちです。課題の曲を自分のものにすることは素晴らしいことですし、生徒さんに、そこに喜びや、やり甲斐を見い出してもらうことも重要です。

 

 ただしそれと同時に、音楽を「読む、歌う、聞き分ける」と言った基本的な能力もしっかりと身につけてもらうことは、今後様々な楽曲をこなして行く上で大切な拠り所となると考えています。是非、そうしたバランスを取りながら、レッスンを進めて行ければと思います。


<音符カードによる「気分転換」!

2019.6.9 更新

 今年も梅雨の季節を迎えました。今日も予報通り、午後から雨模様となり、うっとうしくはありますが、多少気温も下がって、過ごし易い感じでもあります。

 

 さて今回は音符カードの活用についてです。当教室では、初心者の生徒さんには、レッスンの最後に「音読み」について教えていますが、その際には、今までこの稿でもご紹介した「音符カード」を使っています(2018年4月8日付「「音符カード」使っています」参照)。

 

 まずは基本の「ト音記号」の18音と、低音表記の「ヘ音記号」の5音を、カードを使って繰り返し練習し、それがスムーズに出来る様になると、更に「ヘ音記号」の音符カードの種類を増やして、幅広い訓練をします(下記写真参照)。

 

 音読みは、生徒さんにとって、本来、なかなか骨の折れることですが、音符カードを使ったクイズ形式での練習を楽しみながら繰り返すことで、次第にコツを覚え、自分のものにして行きます。

 

 特に、9月の発表会に向けて、殆どの生徒さんが、レッスンの中で少しレベルの高い曲に挑戦している今の時期は、曲の練習が終わった後の「音読み」の時間は、クイズ形式の音符カードの効果もあり、気分が変わることで、むしろホッとしながら取り組んでくれているのが分かります。

 

 6月は、小中学校や幼稚園で、運動会等の大きな行事があったり、また日によって寒暖差も大きくなるので、レッスンに来た最初から「今日は疲れているな」と感じることもあります。

 

 そうした中で、発表会の曲の練習に加えて、音読みを始めとした音楽の基本についての練習も積み重ねて行く訳ですが、遊び感覚の要素のある音符カードを使うことで、多少でも気分転換等をしてもらいながら、無理の無い形でレッスンを進めて行ければと思っています。


<連弾曲を通して!

2019.5.12 更新

 この週末は初夏を思わせる陽気で、エアコンを冷房にして入れたりしています。そう言えば昨年も夏の到来が早かったのを思い出しますが、今年も季節の巡りが早いのでしょうか。

 

 さて今回も先週に引き続いて連弾についてです。秋の発表会で昨年から始めた親子連弾ですが、皆さん非常に積極的に取り組んで頂いており、嬉しい限りです。

 

 ただ連弾のパートナーの方々(親御さんや友人)の方々全員が普段からピアノに接している訳ではなく、また練習時間の制約もあり、「簡単なものであれば頑張って弾いてみます」等と言われる方が多いので、こちらも伴奏パートが簡単な連弾楽譜を探したりしています。

 

 ところが難しいもので、簡単な伴奏楽譜は、「ちょうちょ」や「ぶんぶんぶん」、「キラキラ星」の様な本当の初級の曲が多く、生徒さんが弾きたいと希望する、多少難しくとも楽しんで取り組めるものはほとんどありません。

 

 そこでこの10連休を使って、前回も申し上げた様に、生徒さんが弾いてみたいと希望する曲の市販の楽譜を弾き易い様に修正したり、新たに手書きの楽譜を作ったりしていました(下記の写真を参照)。

 

 こうした工夫が一度で上手く行くとは限りませんので、曲のはかどり具合を見ながら、更に簡単な形に直したり、逆に少し変化を付けて難しくしたりと言いう微調整を、発表会に向けて行っていくことになります。

 

 生徒さんと講師との一対一のソロ曲レッスンも大事ですし、これがレッスンの基本にはなります。その一方で連弾曲は、ご家族や友人の方と共に曲を仕上げて行くことで、生徒さんにとっても、またパートナーの方にとっても大きな励みとなるものと思います。

 

 「共同作業」で一つのものを造り上げていく楽しさや、お家や学校でのピアノについての話題が広がること等が、生徒さんがピアノに対してより真剣に向き合うきっかけにもなるものと思います。そうしたことの後押しを、精一杯して行ければと思っています。 


<連弾曲の選曲について

2019.5.5 更新

 連休後半は天気にも恵まれて、心地良い陽気の中、木々の新緑が目にまぶしい感じです。4月29日(月)からの1週間は、全てのレッスンをお休みにしていて、再開は5月6日(月)からです。

 

 さて9月1日の発表会に向けて、各生徒さんのソロ曲の選曲は4月中に終わり、生徒さんは練習を始めているところだと思います。

 

 その一方で昨年から始めた連弾曲の部(親子や兄弟、または友人同士で弾いてもらう企画)については、一部の生徒さんを除いては、これから決めて行くところです。

 

 当教室では、幼稚園や保育園の年少、年中、年長、小学校の低学年の生徒さんが多いのですが、生徒さんのレベルや、連弾の相手方の保護者の皆さん等のピアノの技量や練習に割ける時間が様々なので、ともすると曲の長さやジャンル等にバラつきが出たりします。

 

 また連弾では、間違えなく正しく演奏するだけでなく、相手と息を合わせることが大事ですが、その意味では、難易度の高い曲で、技術的な部分にばかり目が行く様では、2人で曲を作り上げるという形になりにくくなってしまいます。

 

 そこで、自分の技量にチャレンジをするという要素の濃いソロ曲の場合とは違って、むしろ生徒さんや相手方の方にとって比較的易しい曲を選択し、余裕をもって取り組んでもらうことで、楽しみながら曲を作り上げて行くということが重要だと思っています。

 

 そこでいろいろと考えた末、私が各生徒さん向けに候補曲を複数用意し、その中から選んで頂くことにしました。保護者のパートが難しい場合には楽譜を易しく書き換えたり、逆に簡単過ぎる場合は、多少変化をつけて聴き映えがする様にもしています。連休明けのレッスンで皆さんに提示する予定です。

 

 発表会の本番はまだまだ先ですが、各生徒さんと相手方の方とが楽しい時間を共有しつつ、連弾曲を作り上げて行くお手伝いをして行ける様に、精一杯力を尽くしたいと思います。


<今年の発表会について

2019.4.7 更新

 ここのところ寒暖が日替わりで繰り返す陽気が続いていますが、それがプラスに働いたのか(?)、この週末まで桜の花がなんとか保ち、昨日・今日と絶好のお花見日よりとなりました。

 

 さて当ピアノ教室では、毎年9月に生徒さん達の発表会を開催していますが(「発表会・イベント」の項参照)、今年の日程(2019年9月1日(日))と場所(練馬区の関町区民センター)が、決まりました。

 

 発表会に向けての練習は、5月頃から始めますが、長期戦で取り組んで行きます。普段より少しレベルの高い曲に挑戦してもらうので、大変な部分はありますが、生徒の皆さんが「目標」に向かって一生懸命に取り組んでくれるので、例年、発表会を契機にして、確実に実力がアップします。 

 

 発表会で演奏する曲は、従来ソロ曲が中心だったものを、昨年は、それに加えて友人や保護者の方との連弾曲も、幅広く取り入れることにしましたが、今年もソロと連弾の2本立てにします。

 

 連弾は、ペアの相手との練習も大切で、息を合わせて曲を作り上げて行く上で、相手の演奏を「聴く」ということの大事さに気づいてくれたりということもあり、ソロとは違った意味で勉強になります。

 

 他の人の演奏を「聴く」という点では、発表会の場で、他のいろいろなレベルの生徒さんの演奏を聴くことも、大きな刺激になりますし、いろいろな点で参考になります。

 

 この様に、発表会は単に練習の成果を披露する場所というだけではなく、これをきっかけにして、生徒の皆さんに一段上を目指してもらえる貴重な機会と考えていて、生徒の皆さんには積極的に参加をしてもらう様にしています。 


<次のテキストに移る工夫

2019.3.3 更新

 今日は朝から冷たい雨が降り続いて、昨日よりかなり気温が低く、季節が逆戻りした様な感じですが、予報によれば、今週後半には暖かさが戻るとのことで、春の足音は確実に近づいて来ています。

 

 さて今回は、初心者の生徒さんが、手作りの「童謡曲集ノート」から、市販のテキストに移る際の工夫についてご紹介したい思います。

 

 手作りの「童謡曲集ノート」は導入段階のテキストで、まずは生徒さんに、ピアノに慣れてもらう上で使っているものですが、ある程度の数の曲を弾いてもらった後は、市販のテキスト(「ピアノひけるよ! ジュニア(1)等。「使用教材の流れ」参照)に進むことになります。

 

 ただここで重要なのは、せっかく「童謡曲集ノート」でピアノへの関心を持ってもらった生徒さんが、スムーズに次のテキストに移行出来るようにすることです。

 

 ある程度学年が進んだ生徒さんの場合には、上のテキストに進む狙いを説明して納得してもらえますが、幼稚園や保育園の生徒さんについては、理屈だけでは上手く行かないこともあります。

 

 そうしたケースで、無理に次のテキストを使い始めると、難しさに嫌気がさして、やる気を失ったりすることになりかねません。

 

 そこで、一つの工夫として、次のテキストの曲を、「童謡曲集ノート」で使っていたのと同じ五線譜ノートに書き写し、まずはこれを使って新しい曲を弾いてもらうことをしています。

 

 こうすることで、扱う曲は「童謡曲集ノート」の段階よりは難しくなってはいますが、見慣れた五線譜に書いてあることから、抵抗感が薄れ、さほどの支障無く、次のテキストに移ることが出来ます。

 

 レッスンで大切なのは、生徒さんが楽しく、興味をもって取り組んでもらうことです。その意味で、テキストを一方的に押しつけると逆効果になってしまいます。ピアノの楽しさをどの様に生徒さんに伝えるのかが、技術面と並んで、またはそれ以上に大切なことなのです。

 

 今回ご紹介した五線譜への書き写しは、飽くまでも一例で、これが効果的な生徒さんもいれば、別の方法が良い場合もあります。一人一人の生徒さんの反応を観察しながら、常により良い方法が何かを模索する毎日ですが、出来る限りの工夫をして行きたいと考えています。 


<「遊び弾き」について

2019.2.3 更新

 連日厳しい寒さが続いていた中で、昨日は一転して春を思わせる陽気になり、今日も引き続き暖かくなるということで、ホッと一息という感じです。

 

 さて今回は、中・上級の生徒さんの「遊び弾き」についてです。ある程度ピアノが弾ける生徒さんの場合、レッスンではテキストに載っている曲を教えるのが基本ですが、それとは別に「遊び弾き」の要素を取り入れることがあります。

 

 「遊び弾き」とは、とにかくピアノを楽しんで弾いてもらうことで、例えば、世の中で流行っていて、良く耳にする曲を、自分の「耳」を頼りに、ピアノで自由に再現することです。テレビの主題歌の場合もあれば、流行っている歌のケースもあり、ジャンルは様々です。

  

 また、レッスン曲とは別の好きな曲の楽譜を、自分で弾いてもらう「遊び弾き」もあります。最近、米津玄師の「Lemon」の楽譜を、オリジナル版のものと、初心者用に易しくアレンジしたものとの2種類用意して、こちらで弾いて聴いてもらった後、「弾いてみる?」と尋ねると、「弾いてみたい!」というので、何人かの生徒さんに、楽譜の写しをお渡ししました。

 

 「Lemon」は、通常のレッスン曲ではないので、弾く・弾かないは生徒さん達の自由に任せましたが、今大流行している曲だけに、それぞれ練習しているようです。

 

 こうした「遊び弾き」の良さは、まず技術面の進歩に繋がることです。つまり「遊び弾き」を通して様々なジャンルの曲の多様なリズム、和声、楽曲構成などを目の当たりにすることで、音楽への理解がより深まり、またそれを自分で奏でることで、自然に体得していけます。

  

 そして「遊び弾き」のもう一つの効用は、生徒さん達に、音楽を楽しみ、より身近なものとして感じてもらえることです。テキストに沿ってのレッスンは、どうしても受け身となり勝ちですが、「遊び弾き」の場合は、自分の知っている曲、好きな曲を扱うことから、自分からチャレンジしよう、楽しんで弾こうという気持ちになってくれるのです。

 

 テキストをもとにしての体系的なレッスンも、ピアノの上達には欠かせませんが、それと同時に音楽が「楽しめるものだ」ということを体験してもらうことも、音楽を続け、自分のものにしていく上で無くてはならないことだと思っています。その意味で、「遊び弾き」の要素を今後取り入れ、レッスンに幅を持たせて行ければと思います。


<「ドレミの歌」を通して

2019.1.27 更新

 屋外の風の厳しさは相変わらずで、思わず身を縮めたくなる冷たさですが、部屋の中に差し込む日差しは意外に明るく、少しずつ季節が移り変っているように感じます。

 

 さて、当ピアノ教室では、初心者の方には、まず最初に「童謡曲集ノート」を使ってピアノに慣れてもらいますが(「使用教材の流れ」参照)、その中で人気の高い曲に「ドレミのうた」があります。

 

 この曲はミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の歌の1つで、日本では歌手のペギー葉山が訳詞したものが広く知られていて、幼稚園や保育園でも歌われているためか、生徒さんが弾いてみたい曲のベスト5に入ります。

 

 そこで「ドレミの歌」を「童謡曲集ノート」の曲として取り上げていますが(下記写真参照)、実はこの曲は、使われている音の種類が多い上に、黒鍵が4回も出て来たり、途中で指をくぐらせたりと、決して易しくはありません。

 

 そのため「ドレミの歌」に入る際には、まず、他のもう少し簡単な童謡曲をいくつか弾いてもらってからにしているくらいで、技術的には、生徒さんにとってハードルの高い曲です。

 

 それでも、好きな曲、弾いてみたい曲というのは、生徒さんのやる気を引き出してくれるのか、一旦レッスンで取り上げ始めると、多くの生徒さんの場合、レッスン中の真剣度合いが異なるのはもちろん、自宅での自主練習にも熱が入り、曲の難易度の割に、早く仕上がります。

 

 例えば、初回のレッスンでは、新しい曲に入る際の通例として、まずは楽譜の読み方や、指使いを説明して終わるのですが、「ドレミの歌」の場合は、大抵の生徒さんが、自宅練習を頑張って、2回目のレッスンまでには、自力である程度弾ける様にして来てくれます。こうした「やる気」はその後も継続し、最終的には暗譜で弾けるようになります。

 

 生徒さん達は、自分が楽しく弾ける童謡曲のレパートリーを増やすことを通じて、次第にスキルを高めて、次の段階である市販のテキストに移れる状態になっていきます。

 

 市販のテキストに移ってからは、童謡曲集ノートに比べて難易度の高い曲に取り組むことになりますが、そうした曲に向き合った際にも、「ドレミの歌」を克服し、自分で弾けるようになった経験があることが、生徒さんが継続的に取り組む上での支えとなっていると感じます。

 

 ピアノのレッスンでは、地道な練習の繰り返しが必要で、小さい生徒さんに取って大変な事ですが、生徒さん達が、そうしたハードルを乗り越えていく上で大切なのは、「弾いて楽しかった!」、「弾けるようになると楽しい!」という経験を積んでもらうことだと思います。

 

 その意味で、レッスンで取り上げる曲については、可能な限り生徒さんの希望を取り入れて生徒さんの関心を高め、その課題を乗り越えるための後押しをすることで、音楽の楽しさを実感してもらいたいと考えています。


<イノシシにあやかって!

2019.1.14 更新

 今日は朝から良い天気で、寒さは相変わらずですが、部屋の中にいると、日差しは結構あるので、少しホッとさせられます。

 

 さて、早いもので、お正月の後、全員の生徒さん達のレッスンを1回ずつ終えたところです。年始初回のレッスンでは、年末・年始の楽しかったお話をお聞きしたりもしますが、その一方で、3ヶ月後に迫る「学年の変わり目」を意識しながらのスタートでもあります。

 

 この時期、小・中学校や幼稚園、保育園では、行事としては卒業式、卒園式以外の大きなイベントは少ないのですが、最終学期としての3学期は、勉強のまとめをする大事な時期に当たっていると思います。

 

 当ピアノ教室でも、生徒さん達が、「学年」の節目を前にして、演奏力、読譜力の向上を、各々の課題を通して実感してもらえるようにと考えているのです。

 

 下記の写真は、最近ある生徒さん達からのリクエストを受けて、「お正月」と「一郎さんの牧場」を、右手用の楽譜として書いたものです。

 

 その生徒さん達には、この楽譜を使って、右手での演奏を確実にして、新年度以降は、出来れば両手譜に挑戦してもえればと考えています。

 

 今年の干支のイノシシは、「猪突猛進」と言うことで、乱暴なイメージがありますが、突進力と同時に、実は障害を巧みにこなして行く柔軟性も持ち合わせているのだそうです。

 

 当教室でも、是非それにあやかって、前に進む力は持ちつつも、生徒さん一人一人に合った曲やレッスンの仕方を考案しながら、進めて行ければと思っています。


<年の瀬のピアノレッスン!

2018.12.16 更新

 今日は朝からの底冷えがして、日中になっても気温が上がらず、いよいよ冬本番という感じです。ついこの間まで暖かい日もあったせいか、ことさら寒さがこたえます。

 

 さて、今年も残り2週間程になりましたが、当ピアノ教室では、12月も普段通り、週1回のレッスンを年末近くまで行っています。これは、冬休みの期間が、生徒の皆さんに無理なくピアノに集中してもらえると感じているためです。

 

 生徒さん達にとって、冬休みは、宿題に追われる夏休みや、学年の変わり目の春休みに比べて生活がゆったりとしていて余裕があるようで、普段よりたくさん練習が出来、テキストで取り組んでいる曲が、良く進むのです。

 

 もちろん、クリスマス関連の家族や友達とのイベントや、お家の大掃除の手伝いなどをすることもありますが、それでも自由の時間が多いようです。

 

 ピアノのおけいこは、いつもトントン拍子に進む訳ではなく、なかなか上手に弾けるようにならず、宿題が同じ曲で止まってしまい、悩んだりすることがあります。

 

 そうした生徒さんが、冬休みの期間を利用して、自主的に、普段よりも時間をかけて丁寧に練習することで、いつの間にかスラスラと弾けるようになることがよくあるのです。そんな時、得意げに何回も弾いてくれるのですが、こちらも嬉しくなります。

 

 この様な経験から、生徒さん達に練習の大切さを感じてもらえれば、確実に次に繋がりますし、何よりも、今年を良い形で締めくくり、また来年、更に自信をもって、ピアノに向き合ってくれたらと思っています。


<クリスマスの曲にチャレンジ!

2018.12.1 更新

 近所の公園の木々が赤や黄色に色づき、朝日に映えてなかなかきれいでした。今年の紅葉は全体としては今ひとつの様ですが、さすがに見頃を迎えて目を楽しませてくれています。

 

 さて今日から早12月! 街中でもクリスマスツリーがあちこちに飾られ、プレゼントの品々も売り出されています。そんな中、当教室でも、レッスンにクリスマスソングを取り入れています。

 

 生徒さんのレベルはまちまちですので、それぞれの力量に合った楽譜を用意するようにし、技量に応じてチャレンジをしてもらっているのです。

 

 初心者の生徒さんには、「ジングルベル」を右手だけで弾く楽譜(下記の写真参照)を薦めています。右手でメロディーを弾ける様になると、結構楽しいものです。

 

 バイエルを始めた位の生徒さんには、「ジングルベル」を両手で弾く楽譜(下記の写真参照)を使っています。1番と2番で、左手の伴奏が変化していくので、曲が進むに連れてグッと盛り上がります。

 

 

 ブルグミュラーを使っている生徒さんには、「きよしこの夜」(下記の写真参照)等を弾いてもらっています。ヘ長調で、メインの音が「ファ」なので、黒鍵を少し使い、ペダルを使って音を美しく響かせるようになっていますが、これが出来る様になると清らかなクリスマスらしい雰囲気が醸し出されて来ます。

 

 生徒さんのお話を聞くと、クリスマスの時期に、友達の家に行ったり、家族揃ってごちそうを食べたりと、みんなで集まる機会が増えるので、そんな時に、練習の成果を披露して、クリスマス曲をピアノで奏でるのも素敵ですね!

 

 因みに、今年は、「きよしこの夜」が1818年にグルーバー(オーストリアの教師兼オルガン奏者)によって作曲されてから200年ということで、地元のオーストリア西部の町オーベルンドルフでは記念式典が行われたそうですが、そうした話題で盛り上がるのも良いかもしれません。


<「童謡曲集ノート」の活用

2018.11.18 更新

 朝はヒンヤリとしていましたが、日中は穏やかに晴れて、「小春日和(こはるびより)」と言った感じの、気持ちの良い陽気になりました。

  

 さて、今回は、初心者の生徒さんの「導入段階」で使っている手作りの「童謡曲集ノート」(「使用教材の流れ」参照)についてです。

 

 この時期は、「童謡曲集ノート」の中から、秋に因んで、「松ぼっくり」、「大きな栗の木の下で」、「こぎつね」、「どんぐりころころ」等を選んでレッスンで取り上げています。また少々気の早い感じもありますが、「ジングルベル」を練習し始めた生徒さんもいます。

 

 これらの曲を選ぶのは、幼稚園や保育園等で歌ったり聴いたりしていて、生徒さんが知っていて楽しい、というのが第1の理由です。

 

 生徒さんに「童謡曲集ノート」の中から次回のレッスンまでの宿題曲を決める際に希望を聞いてみると、曲の易しさ、難しさよりも、知っているかどうかを優先する傾向にあります。馴染みのある曲を取り上げる方が、生徒さんの関心を高められるものと思います。

 

 ただ「童謡曲集ノート」の曲の選択に当たっては、第2の観点として、次の「発展段階」に進む準備ということも考慮しています。

 

 「童謡曲集ノート」の曲は、全て右手のみの曲ですが、「発展段階」では両手の曲を扱うことになり、右手でメロディ、左手で伴奏ということになるので、右手だけの曲よりも難易度が上がって来ます。そのため生徒さんによっては、多少構えてしまう部分があります。

 

 そこでそうした生徒さんの負担を少しでも減らすために、発展段階で登場する曲を、右手だけの曲に書き換えて「童謡曲集ノート」の中に入れています。一度弾いたことのある曲は、初めて見る曲よりも抵抗感少なく取り組んでもらえるからです。

 

 上記の「松ぼっくり」以下の曲も、「発展段階」で弾いてもらうことになるものを、予め「童謡曲集ノート」の段階で(右手だけの曲として)取り上げているのですが、右手部分だけで言えば、両者の差はほとんど無いので、発展段階に進んだ後、生徒さんが向き合い易いのです。右手のメロディに余裕があると、左手の伴奏に集中出来るようです。

 

 生徒さんにとって、毎日ピアノの練習を続けるのは、なかなか大変です。特にピアノを始めたばかりの幼少の生徒さんの場合には、個人差もありますが、練習を習慣化するのは骨が折れるのではないかと思います。

 

 そのため、「導入段階」では、弾いていて楽しい曲を教材にすることがまず大事だと思いますし、またそこで選択した曲が、技術面での次の「発展段階」への架け橋となれば、生徒さんのレッスンへの関心を維持し、高めて行くことに繋がると思います。

 

 そうした意味で、これからも「童謡曲集ノート」の活用を続けていきたいと思っています。


<テキスト選択について

2018.11.4 更新

 今日は朝から曇り空で、空気もヒンヤリとしています。日差しがあれば心地良い秋日和となるところが、少し損した感じがします。

 

 さて、今回は、初心者の生徒さんのテキスト選択を例に、テキスト選択についての考え方をご紹介したいと思います。

 

 初心者の生徒さんのテキストについては、まず最初は、手作りの「童謡曲集ノート」を使い、片手でも弾ける童謡をたくさん取り上げることで、音楽の楽しさを感じてもらうことにしています(「使用教材の流れ」を参照)。

 

 その後は、第2段階として、両手で弾く曲が出ているテキストに入るわけですが、特に年齢の小さい生徒さんの場合は、「両手」で弾くことが難しく、それまでのようにとんとん拍子で曲が仕上がるというのが難しくなってきます。

 

 そうしたことから、最近私がよく使っているのが、「みにみにコンサート1」という楽譜です(下記の写真参照)。このテキストも両手で弾く曲集なのすが、比較的左手部分が簡単で、それ程抵抗感無く入っていけると思います。

 

 またこのテキストは、小さい生徒さんでも知っている曲が多く載っていて(下記写真の「目次」を参照)、なじみ易いということがあります。これであれば、生徒さんが「弾いてみたい!」と感じる曲がいくつもあり、音楽にを「楽しむ」という気持ちを持ち続けてもらいやすいのです。

 

 現在、幼稚園、保育園の就学前の生徒さんの何人かに、このテキストを使ってレッスンをしていますが、以上のようなことがあるためか、皆、宿題の曲を自主的に練習してきてくれます。既に合格した曲でも、忘れないように「ふり返り練習」をしているようで、得意げに弾いてくれます。

 

 こうした「自主性」は、ピアノの上達を図る上で大切です。家で、保護者の方に注意されてしぶしぶ練習する状態が続いていては、練習もはかどりませんし、嫌になってしまうこともあると思います。

 

 そうした意味で、テキスト選択に当たっては、個々の生徒さんの希望や技術面での上達度合いを見ながら、慎重に行うようにしています。

 

 もちろん、生徒さんの中には、他のテキスト(「使用教材の流れ」でご紹介している「ピアノひけるよ! ジュニア(1)」等)の方が合っていると思う場合もあり、ケース・バイ・ケースです。

 

 レッスンは生き物のようなもので、個々の生徒さんごとに最適な進め方は異なるものだと思います。その根幹となるのが、使用するテキストです。これは今回例に取った初心者の場合に限らず、全ての年層の生徒さんの場合も同様です。

 

 テキスト選択の大原則は守りつつも、画一的な押しつけではなく、生徒さん一人一人にとって、どのテキストが最も効果的なのかを常に考えながら進めたいと思っています。


<合唱コンクールの伴奏!>

2018.10.28 更新

 日が西に傾き、夕刻になると、肌寒さを感じる季節になって来ました。日の入りの時刻も早まり、気がつけば秋も残り1ヶ月余りです。

 

 さて、先日、地元の公立中学校の合唱コンクールを聴きに、杉並公会堂に行ってきました。当ピアノ教室の生徒さんが、クラスでの合唱のピアノ伴奏者に選ばれ、大役を担うことになっていたからです。

 

 近年、私の生徒さんが中学校の合唱コンクールの伴奏に選ばれてピアノを弾く機会が続いていますが、そうした際には、レッスンでも伴奏曲を取り上げますし、本番は必ず聴きに行くようにしています。

 

 「コンクール」は、各クラス共に、課題曲と自由曲の2曲を歌い、クラス対抗で競うのですが、その生徒さんは、課題曲「大地讃頌」のピアノ伴奏でした。

 

 この曲は、中学校で歌う混声合唱曲として昔から有名ですが、シャープ(黒鍵)が5つも付いているロ長調で、誰もが知っている名曲ということもあり、ピアニスト泣かせの難曲でもあります。

 

 楽譜は全5ページ、右手はほぼ和音で構成されているので譜読みが大変な上に、合唱が安心して歌えるように、ある程度ピアノの音量が欲しい曲です。

 

 生徒さんは、本番前のレッスンでは、正確にきちんと弾けていましたので、まずは一安心!。

 ただ練習ではどんなに上手に弾けていても、本番には魔物が顔を出すこともあり、本番が近づくにつれて、見ているこちらも緊張感が高まります。

 

 特に杉並公会堂の大きな舞台で、慣れないフルサイズのグランドピアノを弾いて、合唱と音楽を作っていくのは、なかなかハードルの高いところがあり、それなりに経験があっても充分に力を発揮出来ないケースもあります。

 

 しかし、いざ順番になり、曲が始まると、生徒さんは、とてもよいテンポと丁度良い音量で音楽の流れを作り上げて、最後まで落ち着いて弾き切ることが出来ました! 見事なパフォーマンスでした。

 

 合唱もよくまとまっていました。今回は、三年生として、中学最後のコンクールなので、日頃のクラス練習の段階から熱が入っていると、事前に生徒さんから聞いていましたが、そうしたことが感じられる合唱でした。

 

 三年生は、過去2回の合唱コンクールでの経験を基に、自分達で企画をして会を盛り上げるのが恒例で、そうした責任意識も感じられるものでした。

 

 各クラスが歌い終わった後、最後に最優秀賞と優秀賞の結果発表があり、生徒さんのクラスが優秀賞に選ばれました。月に伴奏者に決まって以降、毎週のレッスンでも取り上げ、生徒さん本人が努力を重ね、真面目に練習を積み上げて来たことが結実したもので、私自身もとても嬉しく思いました。 

 

 全体として、大変レベルの高い発表で、かなりの激戦だったと思います。会の最後の音楽の先生の講評や校長先生のお話でも、「どのクラスにも良い所があり、甲乙つけにくかった」とのことでした。 

 

 今回、生徒さんが伴奏の大役を務め上げたのは嬉しい限りですが、どのクラスのパフォーマンスからも、伸びしろが無限にある中学生のパワーを、肌で感じることが出来たのも大きな成果でした。

 

 「曲を仕上げるためには、クラス全員が協力する必要があるので、この行事を通じてクラスの団結力が強まる」とのことでしたが、これも音楽の持つ素晴らしさの一つであると感じました。

 

 また各クラスのピアノ伴奏を聴く中で、改めて伴奏者が合唱と合わせていく上で大切なこと、気をつけるべきこと等を再確認することも出来ました。

 

 こうしたことを、今後のレッスンでの指導でも是非役立てたいと思います。


<「バイエル」の長所と短所

2018.10.14 更新

 天気予報によれば、この時期は一雨毎に気温が下がっていくそうですが、夕べからの雨の後、今朝はすっかり肌寒い感じとなり、秋の気配が強まって来ました。

 

 さて今回は、ピアノの教則本である「バイエル」の特徴について、書いてみたいと思います。

 

 「バイエル」は、ドイツの作曲家兼ピアニストである、フェルディナント・バイエルが、19世紀の半ばに出版した教則本で、日本でも明治時代以来、広く使われて来た代表的なピアノ教則本です。当教室でも、小学生以上の生徒さんに使っています(「使用教材の流れ」の項参照)。

 

 「バイエル」の良いところは、取り上げられている106曲の練習を通して、「右手がメロディ、左手が伴奏」という、ピアノ曲の基本的な構造を身につけられ、それと同時にパターン化された音形を習得出来ることにあると思います。

 

 そのため、「バイエル」を最後まで勉強すれば、その後の「ブルグミュラー」や「ソナチネ」などにも無理なく進んでいけるように思います。

 

 また「バイエル」は保育士の試験や小学校の教員採用試験の受験科目の中の、実技試験にも繋がっているので、将来そうした方面に進む場合には、習得が必須のものとなります。

 

 その一方「バイエル」の欠点を挙げてみると、下巻に入るまではハ長調の曲が多いので、「♯(シャープ)」や「♭(フラット)」といった臨時記号が沢山ついている曲に出会った際に閉口することがあるようです。

 

 そうしたことから、「トンプソン」、「オルガン・ピアノの本」、「バーナム」、「バスティン」などの教材が使う方法もあります。当教室でも、ご希望があれば、そのような教材を使うこともあります。

 

 ただ残念ながら、どの教材にも長所、短所があり、これさえしておけば大丈夫という完璧な教則本というのはありません。

 

 そこで教則本の特徴を踏まえて、それを補完する別の教材を決めて、バランス良くレッスンを進めることが重要になってきます。

 

 当教室では、「バイエル」を教材とした場合は、それ以外に、ハ長調以外の曲が多く載っていって、「♯」や「♭」などが登場する別のテキスト(タイトルが付いた曲を集めたピアノ曲集(「こどものための名曲集」など)も併用するようにしています。こうした曲集は弾いていて楽しいので、そうした意味でも併用は効果的です(3/18付けの「バイエルについて」参照)。

 

 以上はバイエルについての一般的な活用方法ですが、もちろん生徒さん毎に教則本との相性は様々です。技術面での課題は各人で異なりますし、性格や希望等に応じて対処の仕方は変わって来ます。従って、それらを踏まえて、丁寧にレッスンを進めるように心掛けています。

 

 最も大事なのは、生徒さんが楽しく、やり甲斐を感じながらレッスンを積み重ねていくことであって、教則本はそのための手段、きっかけに過ぎない訳ですから、型にはめようとすることなく、各生徒さんに最も合った方法が何かを考えていきたいと思っています。


<「音符カード」での練習を通して

2018.9.30 更新

 日中は「嵐の前の静けさ」で日差しも垣間見えていましたが、夜になって、予報通り、風雨が強くなって来ました。

 

 さて発表会が終わってから、早1ヶ月が経とうとしています。発表会までは発表会の課題曲の練習が中心でしたが、今は多少時間的な余裕が出て来たので、特に初心者の生徒さんには、毎週、「音符カード」を使っての音読みの練習をしています。

 

 音符カードは、カードに印字された音符を見て、それに当たる音を生徒さんに当ててもらうもので、クイズ形式でのやり取りを通じて読譜力を養ってもらうために、レッスンで取り入れています(「音符カード」を使っています」(4/8付)の項参照)。

 

 カードは、下記の写真の通り、ト音記号でよく楽譜に出てくる18音を印字した18枚がありますが、まずはその内、基本の8音から始め、生徒さんがカードを見てその音を当てられるようになったところで、徐々にカードの枚数を増やし、最終的には18枚全部の音を、言い当てられるようにするのが目標です。

 

 毎週のレッスンで「音符カード」を取り上げるのは、せいぜい5分程度ですが、家での練習も含めて、「答え」るまでのスピードが次第に向上し、最後は見たとたん答えられるまでになります。ト音記号のカードがが完全に読めるようになった生徒さんには、次に、ヘ音記号(低音記号)の練習へと進んでもらうことになります。

 

 「音符カード」を使っての譜読みを効果的に進める上で大切なのは、その「練習」をレッスンの中だけでなく、家でも積み重ねて行くことですが、これはピアノ曲の練習そのものにも通じることです。その意味で、生徒さんが、カードを通して、家での練習の大切さを学び、習慣化することは、読譜力の養成以上の意味があるものと思っています。


<5つの音から始める

2018.9.16 更新

 日中は気温が上がっても、夕刻に近づくと心地良いと思える陽気になってきました。まだまだ気温が上がる日もあるとのことで、油断は出来ませんが、長かった夏も漸く終わりつつあるようです。

 

 さて発表会が終わってから2週間になりますが(「発表会・イベント」の項参照)、その間、どの生徒さんのレッスンでも感じるのは、発表会でそれぞれの課題としていた曲を仕上げたことで、生徒の皆さんが自信を持ち、次のレッスン曲に対して、前にも増してやる気をもって臨んでくれていることです。

 

 これはピアノのレッスンに限ったことでは無いと思いますが、一つの課題をこなすことで、そのことにより興味を持ち、楽しさを見い出せるようになるためではないかと思います。

   

 そうした意味で、初級レベルの生徒さんに、「童謡曲集ノート」(「好きな曲を「レパートリー」に!」(2/25付)の項参照)の中から、「かえる」、「メリーさんのひつじ」、「ちゅうりっぷ」の3曲を最初期のレッスンで取り上げることがあります。

 

 これらの3曲を「最初の曲」として取り上げるのは、もちろん年少の生徒さんにも馴染みのある曲だからということもありますが、それに加えて、これらの曲で使われている音のほとんどが「ド、レ、ミ、ファ、ソ」の5音であるからです(「ラ」も入っていますが、ごく一部です)。

 

 なにしろピアノを習い始めて最初に「挑戦」する曲ですから、生徒さんにとって、どうしても構えてしまったり、不安になったりしがちですが、その点、限られた音(上記の5つの音符)で構成された曲を、「5本の指」で弾くということであれば、生徒さん達も、比較的抵抗感無くこなすことが出来、自然とピアノに向き合ってくれるようになって行きます。

 

 こうして「最初の曲」を仕上げた後は、「童謡曲集ノート」の中から、生徒さんが好きな曲にチャレンジしてもらい、またその後は、市販のテキストへと進んで行く訳ですが(「使用教材の流れ」の項参照)、そうした流れをスムーズなものにする上で、出発点となる「5つの音から始める」ことが、それなりの効果をあげているのではないかと考えています。

 

 発表会を終えて、すぐ次の課題に向けて挑戦をしている生徒さん達は、頼もしくもあり、またピアノの楽しみを、以前にも増して感じてくれているのを見ると、嬉しくなります。こちらも、そうした生徒さん達のやる気に応えるられるように、一層気を引き締め、出来る限りの工夫をしながら、日々のレッスンに取り組んで行ければと思います。


<「体験レッスン」について> 

2018.9.1更新

 今週は、「残暑」というにしては、厳しい暑さが戻り、1日中クーラーを回したりしていましたが、今日は多少暑さも和らぎ、少しホッとしているところです。

 

 さて、今回は、ご質問を頂くことが多い、初めて来られる方向けの、当ピアノ教室の導入(紹介)の手順について、ご紹介をしたいと思います。

 

 まず電話やメールのやり取りの中で、ピアノ学習の経験があるのかや、レッスン内容やスケジュール(曜日や時間帯)についてのご希望等を確認させて頂きます。

 

 その後、実際に、親子で見学に来て頂き、レッスンの内容や指導で心掛けていること、候補となる教材、宿題の出し方等についてのご説明をします。お子さんにピアノに触れて頂いたりもします。

 

 その上で、通常は「見学」とは別の日に「体験レッスン」を受けて頂きます。レッスンの雰囲気をなるべく味わえるように、仮のテキスト(「見学」の際のご希望を踏まえて選定のもの)を使って、約45分間のレッスンを通しで行い、保護者の方には、その様子をモニターして頂きます。これで一通りの「導入編」は終了となります。

 

 ただ時として1回の体験レッスンだけでは、保護者の方が判断に迷われるケースもあります。またお子さんとしても、ほぼ初対面の講師から、いきなりあれこれと指導を受けるのですから、緊張してなかなか調子が出ない間に時間が来てしまうといった感じになることもあります。

 

 そこで、体験レッスンを複数回設ける場合もあります。そうすることで、お子さんが雰囲気に慣れて、レッスンがより実際に近い感じとなって来ましし、「45分間の時間を頑張れるのか」等、レッスン内容以外の点も含めての見極めをして頂けるようです。

 

 また体験レッスンと体験レッスンの間に1週間程の時間をはさんで、実際に「宿題」を出し、レッスンと自宅での練習の組み合わせを上手くこなせるのかについて確認をして頂くということもあります。

 

 因みに通常のレッスンでの宿題の量は、年齢や進み具合、ご家庭の方針などによって変わって来ますが、ピアノのレッスンの場合、どうしてもある程度の自宅練習は必要となって来ますので、それも含めて「体験」して頂くことも有効だと考えています。

 

 以上が、初めて来られる方向けの導入(紹介)手順の概要です。複数の体験レッスン等、多少時間を要する場合もありますが、保護者の方々にとって、大事なお子さんを通わせる上で充分な納得感を持って頂くことや、お子さん自身にも「ピアノのおけいこ」についての感じをつかんで頂くことが重要だと考え、こうしたやり方を取るようにしています。


<ショパンの「バラード」> 

2018.8.18更新

 今週後半から少し暑さが和らぎ、風の心地良さに秋の気配を感じるようになって来ました。

 

 そうした中で、発表会が近づき、生徒さん達は一生懸命に練習に励んでいます。発表会のプログラムも出来上がって来ましたが、そこに自分の名前や曲名が出ているのを見ると、練習にもより熱が入るようです。

 

 ところで例年、発表会では、プログラムの最後に「講師の演奏」の部を設けていて、講師も演奏を披露するのですが、私は、今回、ショパンの「バラード第一番」を取り上げることにしました。

 

 「バラード」と聞いて、「ああ、あれか!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうです、この曲は、今年2月のピョンチャンオリンピックで、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、ショートプログラムで使った曲です。

 

 オリンピックでの名演技と共に、この曲の持つ、繊細且つダイナミックな曲想をご記憶の方も多いと思いますが、実は原曲は、演奏時間約10分で、オリンピックバージョンの約4倍の長さがある「大曲」です。

 

 10分間の曲を、発表会の最後に弾くことについては、年齢の小さなお子さん達も多く来ていることから、当初少しためらいもあり、もっと短い別の曲にするか、また短めに編集して弾くことも考えました。

 

 しかしこの「バラード」が、美しいメロディーが次々と展開し、あたかも一つの物語を紡ぐように構成されている曲であることを考えると、むしろお子さん達にその全体像に触れてもらい、自分なりの「物語」をそこに投影してもらうことの方が良いのではないかと考え、全曲を取り上げることにしました。

 

 実は、私自身も子供の頃に、ショパンの生演奏に触れたことが、ピアノへの関心を持つきっかけの一つになったのですが、生徒さん達はもちろん、そのご兄弟姉妹や、応援に来ているお友達の皆さんが、「バラード」の曲の素晴らしさを通して、ピアノ曲が決して退屈なものではなく、躍動感あるものだと言うことを感じる機会になればと考えています。

 

 今回この「バラード第一番」に久しぶりに集中して取り組んでみて、改めてショパンの曲の持つ奥深さを感じました。そうしたこの曲の持つ魅力を、どれだけ皆さんに伝えられるか分かりませんが、微力ながら、精一杯のパフォーマンスに仕上げられればと考え、私自身も、生徒さん達に負けないように、発表会に向けて、日々練習に励んでいます。


<「リハーサル練習」を取り入れて> 

2018.8.4更新

 連日の猛暑の中、残り1ヶ月を切った発表会(9月2日)に向けて、生徒さんたちの準備が進んでいます。

 

 既に間違えずに弾けるようになった生徒さん、まだどうして途中でミスが出てしまう生徒さんなど、今の段階ではまだ状況は様々ですが、皆さん一生懸命にそれぞれの課題曲に取り組んでくれています。

 

 ただこの時期、レッスン中は、どうしても発表会の曲に割く時間が長くなり、普段のレッスンに比べると内容がある意味単調なものになり勝ちで、集中力を維持するのが大変な場合もあります。

 

 そこで、なるべく飽きずにレッスンに向き合ってもらうために、「リハーサル練習」を行うことにしました。

 

 「リハーサル練習」とは、なるべく本番に近い状況を再現してのもので、通常はもっと本番が近づいてから行うのですが、レッスンの中でのメリハリをつける意味で、足下のレッスンでも取り入れてみたのです。

 

 まずは本番さながらに、生徒さんの名前と曲をアナウンス調(!)で読み上げた後、生徒さんに部屋の端からピアノの前に歩いて来てもらい、一礼をしてから弾き始めてもらいます。演奏も、普段のレッスンとは異なり、なるべく「通し」で弾いてもらうようにします。

 

 「通しで」と言っても、まだ今の段階ですから、途中で間違えたり、止まってしまったりということもありますが、まずは最後まで弾いてもらいます。演奏の後はお辞儀をして退場となります。そしてミスが出た箇所については、その後のレッスンの中で確認、修正をするようにしています。

 

 連弾曲の場合には、本来のパートナーの方に代わって、私が一緒に「登場」して共にお辞儀をし、曲を弾くようにするなど、とにかく出来る限り本番に近い雰囲気を醸し出すことで、緊張感をもってもらうようにしているのですが、こうしたやり方を取ることで、生徒さん自身も、自分の課題となっている部分の練習に、より自発的に取り組んでくれるように思います。

 

 また普段から「本番」を意識したレッスンとすることで、練習の成果を本番で発揮し易くなるのではないかと思います。例年、発表会では、練習段階では上手く弾けているのに、どうしても本番の雰囲気に飲まれて、充分に力を発揮出来ないような場合もあり、これはこれで良い経験となるのですが、出来れば普段通りの力を披露して欲しいと思っています。

 

 因みに生徒さんの中には、自宅の練習で気分を盛り上げるために、自分で自分の名前をアナウンスしてから弾き始めるということをやってみている場合もあり、効果を挙げているように思います。

 

 発表会までの「1ヶ月」は、この暑さの中でもあり、まだまだ長丁場というところがあると思います。そこまでの道のりを、生徒さんがたゆまずに、レッスンを積み重ねて行けるように、少しでも後押しが出来ればと思っています。


<「音の階段」を使って> 

2018.7.21更新

 この暑さ! いつまで続くのかと思い天気予報を見てみると、「多少の振れはあるにしても、当分はこの暑さが続く」とのことでしたので、まだまだエアコン頼みの毎日が続きそうです。

 

 さて、以前こ「レッスン室便りでもご紹介したように、初心者の生徒さんのレッスンでは、「音の階段」という、階段状の練習用の道具を取り入れていますが(2018年6月10日の項を参照)、生徒の皆さんの反応を観察していると、これが意外に効果があることに気づきました。

 

 ピアノの初心者の場合、頭では楽譜が分かっていても、なかなか自分で思うように指を動かすことが出来ないということがあり、練習を積み重ねることで、徐々に指の動きが円滑になっていきます。

 

 ただその練習の過程では、本人として、「何で出来ないんだろう?」と思うような間違いをしてしまうので、もどかしさからイライラが募りますし、恥ずかしさとも相まって、練習に熱が入らなくなるということがあります。

 

 その点この「音の階段」は、実際の「音」は出ないので、「ドレミ。。。」を声に出しながら指を動かしてもらうのですが、たとえ間違えても「変な音」がする訳ではないので、間違うことを過度に気にすることなく、繰り返しの練習に取り組んでくれています。

 

 また「音の階段」は、鍵盤が平面ではなく、右上がりの階段状になっているので、他の指に比べて動かしにくい「4の指」(薬指)や「5の指」(小指)の盤面へのタッチが物理的にし易く、指の動かし方の感覚を身につける上でも効果があるようです。

 

 こうしたことから、家での練習の際にも是非「音の階段」を使って欲しいと考えるようになりました。そこで今回、下記の写真のように「音の階段」をいくつか作って、初心者の生徒さんに貸し出すことにしました。

 

  レッスン以外で「音の階段」を使ってもらうというのは、初めての試みですが、これが、生徒さん達のピアノとの距離を縮め、自分で楽器を演奏する楽しさを実感するきっかけの一つとなればと思っています。


<「合唱コンクール」に向けて!> 

2018.7.15更新

 今日も厳しい暑さでした。ニュースによれば、今日の東京の最高気温は34度で、これでも充分に暑いのですが、日中、焼けつくようなアスファルトの照り返しの中を歩いていた際の印象では、場所によっては、気温は、あるいはそれ以上(40度近く?)まで上がっていたのではないかと思わせるような過酷さでした。

 

 さて、今回、中学生の生徒さんの1人が、学内の合唱コンクールのピアノ伴奏者に選ばれ、合唱の譜面(下記の写真参照)を持って、暑さの中、レッスンに来てくれました。

 

 公立の中学校では、秋の合唱コンクールが、春の運動会と並ぶ、大きな行事となっています。このコンクールでは、クラス単位で、課題曲と自由曲を発表し、学年毎に1位と2位を選ぶことになっています。因みに、本番会場は杉並公会堂の大ホールです。

 

 クラス対抗ということで、クラス全員がいかに団結して、自分達としての曲を作り上がるかということがポイントになるので、その要(かなめ)ともなるピアノの伴奏は、なかなかの大役です。

 

 曲は、「大地讃頌(だいちさんしょう)」と言う大変ポピュラーなもので、混声合唱の重厚なハーモニーが大変魅力的な曲です。何十年も前から、中学校や高校で歌い継がれて来ているので、ご存知の方も多いと思いますが、ピアノ伴奏者の立場から言えば、少々難しいところもあり、入念な練習が求められます。

 

 本番は10月下旬なので、まだ3ヶ月程度先ですが、2学期からはクラスの皆さんとの練習が始まることを考えると、出来れば夏休み中には、ピアノをそれなりのレベルまで仕上げておく必要があり、練習には力が入ります!

 

 その意気込みに応え、的確な指導をするためには、曲の内容を把握しておく必要があるので、私自身も練習をして、レッスンに臨むようにしています。

 

 またそれに加えて、生徒さんの「課題」をいかに解決していくかということも、練習を効率的に進める上で重要な要素ですので、レッスンの「プラン」を事前に考えておくことも必要になります。

 

 まだまだ暑い日が続きますが、それに負けずに、生徒さんと共に、コンクールに向けて精一杯の準備を積み重ねていければと思っています。 


<発表会をきっかけに!> 

2018.7.8更新

 連日厳しい暑さが続いています。この暑さも6月の中旬頃からなので、すっかり慣らされてしまっているところがありますが、まだこの時期は、年によっては梅雨明け前ということも多いので、改めて今年の夏の長さが思いやられます。

 

 さて、そうした中、発表会(9月2日。「連弾・イベント」の項参照)に向けて、生徒の皆さんは、それぞれの課題曲に一生懸命取り組んでいます。どの生徒さんも、普段の練習で弾いている曲よりも、少しレベルの高い曲を課題曲に選んでいるので、それなりに大変ですし、苦戦中という生徒さんもいらっしゃいます。

 

 まだ本番まで2ヶ月弱あることを考えると、決して焦る時期ではありませんが、ピアノのレッスンの場合は、練習の積み重ねの中で、少しずつ技量に磨きをかけて行くという部分があることから、生徒さんの状態に応じて、通常のレッスンとは別に、週末等の補講レッスンに来ていただいたりもしています。

 

 補講レッスンの数も、今のところ1回だけの生徒さんもいれば、2回、3回という場合もあり、様々ですが、何とか発表会までには仕上げるようにと、みなさん頑張っています。

 

 楽器の演奏については、他の勉強やスポーツなどと同じで、ある時期に集中的に練習に取り組むと、力量がグッと上がることがあると言われています。実は発表会の機会を設けるのも、その「きっかけ」作りとなることを期待しての部分もあるのです。

 

 実際に、例年、発表会を境にして、技量のみならず、音楽への理解をより深めてくれて、音楽の楽しさや練習の大切さを改めて感じてくれるというケースが多く見られます。

 

 そうしたことから、生徒の皆さんには、是非この猛暑に負けず、練習に励んで欲しいと思いますし、私も出来る限りのお手伝いが出来ればと思っています。


<連弾への取り組み> 

2018.6.24更新

 朝方は小雨の降る中少し肌寒さがありましたが、午後からは日差しが戻って、気温もぐんぐん上昇し、夏の陽気になりました。相変わらず変わり易い天気が続いています。

 

 さて生徒の皆さんは、9月2日の発表会(「発表会・イベント」の項参照)に向けて、それぞれの課題曲の練習中です。そして今年は、多くの生徒さんが、ソロの曲に加えて、連弾の曲の練習にも取り組んでいます。

 

 昨年までの発表会では、ソロの演奏が殆どで、連弾曲は極く一部でしたが、今年の発表会では初めての試みとして、プログラムの一部に連弾曲のみを集めた「連弾の部」を設けて、希望される生徒さんには、ソロだけでなく、連弾の曲も弾いてもらうことにしたのです。

 

 ソロ曲の準備だけでも大変ですが、その上に連弾曲の練習も重なり、生徒さんの負担はそれだけ増える訳ですが、課題曲に連弾曲も加えるかどうかについて聞いてみたところ、意外にも「連弾曲も弾いてみたい」という前向きな返事が多く、多くの生徒さんが挑戦することになりました。

 

 連弾は、2人の呼吸を合わせて演奏するものなので、相手に合わせる余裕や気遣いが出来るようになるまで練習を積み上げることが必要で、ソロとは違った難しさがあります。

 

 ただ、それだけに上手く仕上がった時の達成感は格別で、アンサンブルの妙を味わうことが出来ます。

 

 因みに組み合わせは基本的に自由なので、親子や兄弟での場合もあれば、友人同志での参加もあります。ペアーで力を合わせての準備が続いています!

 

 発表会まで残り2ケ月余り、それぞれの生徒さんとペアーの方にとって納得の行くパフォーマンスとなるように、精一杯のお手伝いが出来ればと思っています。


<「楽典」の勉強について> 

2018.6.17更新

 この週末は少し肌寒さもあり、慌てて長袖を取り出したりしていましたが、一時の暑さを思えば、ホッとする部分もありました。

 

 さて今日は、「楽典」についてご紹介したいと思います。「楽典」(がくてん)とは、音楽の勉強をする上で必要となる知識のことで、音符の読み方、強弱記号、音楽表現記号、音楽表現用語など多岐に亘り、「音楽の文法」、「楽譜の文法」などと言われるもので、音楽全般についての理解を深める上で大切なものです。

 

 そうしたことから、当教室でも、レッスンの中にこうした勉強の要素を取り入れるようにしていますが、「楽典」の習得に比重をかけ過ぎると、ピアノのレッスンがどうしてもおろそかになるケースがあるので、通常は、レッスン曲で登場した音楽用語や音楽表現記号を通して楽典の内容についての説明をしたりしています。また「ソルフェージュ」(読譜)の練習についても、レッスン曲を使って、右手、左手の音を別々に歌ったりしています。

 

 ただこれだけではなかなか体系的な勉強が出来ないので、希望する生徒さんには、テキストを使って、楽典を教えることがあります。

    例えばドレミ出版のジュニアクラスの問題集などを教材として使うことがありますが、このテキストは、テーマ毎に、解説と理解度確認用の問題がセットになっていて、効率的に学習を進めることが出来ると思います。

 

 「楽典」は一般には耳慣れない言葉だと思いますし、中には「特殊なもの」とお考えの方もあるかと思います。確かに「楽典」の勉強は専門性を伴う部分があり、音楽を志す生徒さんからの希望を受けてレッスンで取り入れるケースもありますが、必ずしもそればかりとは限りません。

 

 例えば、ある生徒さんの場合、他のおけいこや、学校の宿題などが忙しくて、ピアノ練習のための時間があまり取れず、同じ曲を長い時間をかけてレッスンで取り上げることになり、単調になってしまうので、何かレッスンに変化を持たせられないか、ということがありました。

 

 そこで、その生徒さんの希望もあって、レッスンに「楽典」の勉強を取り入れることにしたのですが、レッスンの延長線上での「勉強」なので、ごく自然な形で取り入れることが出来ました。

 

 また、そもそも公立や私立の中学校の音楽の授業内容には、こうした「楽典」の内容が含まれていて、中間や期末などの定期試験でも、相応に細かい部分まで出題されることがあります。そうした意味で、レッスンを通して、少しずつ「楽典」の考え方に触れていくのも、無駄では無いと思います。

 

 生徒さんがレッスンを通してピアノの曲を仕上げて行くことも素晴らしいことですが、それに加えて、その背景にある知識を吸収することで、音楽への理解を更に深めてくことも、意義深いことだと思います。是非そうした意味でも、生徒さんのお手伝いが出来ればと考えています。 


<「音の階段」について> 

2018.6.10更新

 梅雨入り後間もない時期であるにもかかわらず、台風が北上して来ていて、やはり今年の天気は例年とは少し違うようです。

 

 さて、下記の写真は、音程の高低差を木の模型で表現した「音の階段」です。模型を上から見ると、ご覧のようにピアノの鍵盤のように見えますが、実際には階段状になっています。

 

 実は初心者の生徒さんの場合、平面的なピアノの鍵盤を見ているだけでは、なかなか音程についての理解が進まない場合があり、音の高低を立体模型で「見える化」してみたのです。

 

 レッスンで生徒さんに最初にこの模型を見てもらうと、一見、積み木のようでもあり、上からのぞきこんだり、横から眺めてみたりと興味津々です。

 

 そして次に指で「弾いて」もらいます。もちろんピアノと違って、押してみても実際に音は鳴りませんので、生徒さんには、模型の鍵盤を押しながら、音を出す代わりに、声で音程を表現してもらいます。一種の音当てゲームでもあり、もし生徒さんの「声」による音程が間違っていれば、私が修正するようにします。

 

 こうして生徒さんは、「音の階段」を使っての「遊び」を楽しみながら、ピアノの音が左から右に向かって上がっていくことや、「音」の並びについての理解を深めていきます。

 

 ピアノの鍵盤が、音の高低順に並んでいることは、大人の私たちの場合には当たり前のことですが、小さい生徒さんの場合には、その手前の説明から始めた方が分かり易いと思います。

 

 そうした意味で、この「音の階段」をレッスンに取り入れたのですが、今後も、生徒さんが無理無く理解を進めてもらうための工夫をしていければと考えています。


<9月の発表会に向けて> 

2018.6.3更新

 9月初旬の発表会(「発表会・イベント」の項参照)に向けて、そろそろ各生徒さんの曲目を決める時期になりました。

 

 生徒さんにとっては、発表会は一大イベント! 晴れの舞台であると同時に、技量アップの絶好の機会ともなるので、それぞれの生徒さんの状況を踏まえながら、数ヶ月をかけて、じっくりと曲の準備をしていきます。

 

 例えば初心者の生徒さんの場合に、今までは「右手」だけの曲を練習していたものを、発表会では「両手」の曲を弾いてもらうことがあります。

 

 こうした生徒さんの場合、今まで見慣れていない「両手」の楽譜にいきなりチャレンジをしてもらっても、音符の数が増えることに戸惑って、なかなか上手くいかないことが多いので、生徒さんが無理無く「両手」の譜面に進めるように、譜面上での工夫をしています。

 

 下記の2枚の写真はどちらも「小さな世界」という曲の楽譜ですが、縦長の譜面が「両手」用の普通のものであるのに対して、横長の譜面は、「右手」だけを音符で示し、「左手」の和音は音符ではなく、赤丸(ド・ソ)と青丸(シ・ソ)とで表示したものです。

 

 初心者の生徒さんには、まずは音符の数が少ない横長の譜面の方を見てもらい、「両手」を使うことに少しずつ慣れてもらうようにします。

 

 そして練習が進んで、横長の譜面で「両手」を使ってある程度弾けるようになったところで、普通の「両手」用の譜面(縦長のもの)に切り替えて行きます。「両手」の譜面上では、左手の和音を、上記と同じ色で塗ってあるので、生徒さんは、比較的抵抗感無く、「両手」で弾けるようになって行きます。

  

 以上は、生徒さんが、両手で弾くことの戸惑いを緩和するための工夫の一つですが、ちょっとしたきっかけで、苦手なものが出来るようになるということは、ピアノのレッスンでは、ままあることのように思います。

 

 それだけに、各生徒さんが抱えるそれぞれの「ハードル」を、自然にクリアーして行くための方法を可能な限り見つけ出し、レッスンに取り入れていくことが重要だと考えています。

 

 今日も真夏に近い陽気でした。発表会までの3ヶ月は、梅雨やその後の盛夏の時期など、1年でも最も大変な時期ですが、生徒さんと一緒に、一歩一歩準備を進めていければと思います。


<「アラベスク」に挑戦する!> 

2018.5.27更新

 初夏を思わせる日中の日差しが、夕刻になって少し和らぎ、ホッとしながらこの稿を書いています。 

 

 さて先日、生徒さんから「児童館で友達が弾いていた曲を是非私も弾けるようになりたい」との話があり、レッスンで取り上げることにしました。その曲の名前は「アラベスク」! 19世紀のドイツの作曲家ブルグミュラーの練習曲集の中の1曲です(下記の楽譜参照)。

 

 尚、「アラベスク」とは元々アラビア風のデザインのことで、唐草模様のような文様を反復して用いて構成されています。このブルグミュラーの曲は、アラビア風のエキゾチックな旋律を持つことと、右手部分に同じような音型を繰り返し用いていることから、「アラベスク」との名前がつけられたと言われています。尚、ドビュッシーにも同名の曲がありますが、これとは別のものです。

  

 ところでこの「アラベスク」は、ピアノを習う子供達の間では大変人気があり、誰もが弾けるようになりたいと考える曲の1つで、実際に上記の生徒さんに限らず、「弾きたい」、「弾けるようになりたい」というリクエストが多くある曲です。

 

 ただしその一方、この曲は、難易度からすれば、必ずしも取り組み易いとは言えません。別項の「使用教材の流れ」でもお示ししているように、「アラベスク」を含む「ブルグミュラー」の教本は、通常は「バイエル」が終了した生徒さんに使っているくらいなので、この曲にも相応に難しいところがあります。

 

 そこで、「アラベスクを弾きたい」と言う生徒さんには、まず始めに「かなり練習しないと弾けるようにならない」ということを説明した上で、通常のレッスン曲とは別途の「おけいこ」用として、時間をかけて、毎週少しずつ進めるようにしています。

 

 生徒さんとしても、実力より少し上の曲への挑戦なので、なかなか大変ですが、そこは「弾けるようになりたい」という目標がはっきりしているためか、他のレッスン曲以上に熱心に取り組みます。そして家での自主的な練習の積み重ねが次第に効果を上げ、大抵の生徒さんは、数ヶ月後には両手で弾けるまでになります! 

 

 もちろん中には曲のテンポや指使いなどで多少不充分な部分が残る場合もありますが、その生徒さんのその時点での到達点としては、充分に褒めてあげたいレベルですし、何よりも「練習をすれば弾けるようになる」という自信や達成感を持ってくれるのは嬉しい限りです。

 

 生徒さんが「弾きたい」という曲の代表選手がこの「アラベスク」ですが、それ以外の曲の場合にも、自分なりの「目標」を掲げることが、程度の差こそあれ、同様に良い結果を生むように思います。

 

 もちろんテキストに沿って一歩一歩技量を積み重ねて行くことも大事ですが、それと同時に、それぞれの生徒さんの音楽への素直な関心や興味も出来る限り取り入れつつ、幅のあるレッスンにして行ければと考えています。


<音符に色をつける!> 

2018.5.20更新

 すがすがしい陽気の中、風が心地良い一日でした。暑からず、寒からず、「これが、春の陽気!」と改めて思い出したように思いました。

 

 さて、今回は、幼稚園や保育園の生徒さんのレッスンで取り入れている、色つきの音符についてご紹介したいと思います。

 

 下記の「ちょうちょ」の楽譜をご覧下さい。各音符にそれぞれ別々の色をつけています。「ド」には「ドーナツ」の茶色、「レ」には「レモン」の黄色、「ミ」には「みかん」のオレンジ、「ファ」には「ファイト」の色として割り当てた緑!(緑色で元気な人間の絵を描いて説明)、「ソ」には「空」の青、といった具合に、全ての音符に色をつけてあります。

 

 こうした童謡の楽譜には、下記の通り、ひらがなでも音符の「読み」を書いていますが、文字をまだ充分に習得していない生徒さんの場合には、これだけでは音符をスムーズに読むのが大変なので、「色分け」も取り入れることにしているのです。

 

 実際に、「色つき」の楽譜をレッスンで使ってみると、通常のモノクロの楽譜に比べて、多少とも早く「楽譜を見ながら弾く」ことが出来てくるように思います。

 

 小さい生徒さんの場合、慣れないピアノで、ただでさえ抵抗感を持ちやすいところですので、可能な限り不要なハードルは取り払うことで、無理無く音楽に親しんでもらえるようにしたいと考えています。今後共、そうした観点からの工夫を、レッスンに取り入れて行ければと思います。


<「リクエスト」に応える!> 

2018.5.13更新

 このところ雨がちで、今日も予報通り、午後から雨模様になっています。晴れれば五月晴れとなるところが、少し残念です。こうした雨模様の天気と言い、先日の夏日と言い、季節を前倒しをしたような天候が繰り返しているので、こちらも季節感を多少修正して行く必要がありそうです。

 

 さて、当教室での教材については、「使用教材の流れ」でご説明している通りで、段階に応じたテキストを基にしてレッスンを進めるのが基本ですが、その一方で、これまでも折りに触れて、「レッスン室便り」の中でも述べさせていただいた通り、生徒さんの知っている曲なども適宜織り混ぜて、なるべく楽しい「おけいこ」にしたいと考えています。

 

 そうした中、先週も、生徒さんのリクエストで、「東京音頭」と「ゲゲゲの鬼太郎」の楽譜を書き(下記の写真参照)、希望された生徒さんのレッスンで取り上げることにしました。

 

 「東京音頭」は盆踊りの定番曲ですが、プロ野球のヤクルト・スワローズの応援でも使われていて、ご存知の方も多いと思いますが、ピアノで弾いても軽快なリズムと親しみのあるメロディーで、楽しさが浮き立ちます。

 

 「ゲゲゲの鬼太郎」は、アニメ・ソングとして長く親しまれている曲ですが、最近新たにTV放送が始まったこともあり、生徒さんも知っていたようです。

 

 どちらの曲も、実際に弾くとなると多少難しい部分もありますが、一緒に歌ったり、曲の最初の部分を練習したりすることで、レッスンへの関心を高めてもらおうと考えています。

 

 ピアノのレッスンと言うと、一般的にはどうしても固いイメージがあり、かしこまった感じのものを想像される方も多いかと思いますし、そのために敬遠されるケースも多いかと思います。

 

 その点、小さいお子さんの場合には、音楽に対する特段の先入観を持っているケースは比較的少ないと思います。そこで「苦手意識」が先に立つことを避けるために、なるべく「楽しさ」の要素をレッスンに加えることで、まずは音楽を身近なものと感じてもらい、自然にピアノに向き合うようになってもらえればと考えています。

 

 そうした意味で、これからも生徒さんの「リクエスト」を出来る限りレッスンに取り入れ、一緒に音楽を楽しむ機会を増やしたいと思います。 


<「こいのぼり」を楽しむ!> 

2018.5.6 更新

 汗ばむ陽気の中、家の近所を歩いていると、こいのぼりが、折からの強風に吹き流されて、真っ青な晴天をバックに勢いよく泳いでいる様子を見て、童謡の「こいのぼり」を思い浮かべました。

 

 実は当ピアノ教室では、童謡の「こいのぼり」をレッスンに取り入れていました。4月の初旬に、生徒の皆さんの「童謡曲集ノート」(2018.2.25のレッスン室便り参照)に、「こいのぼり」の楽譜(下記の写真参照)を貼り、レッスンの中でピアノの練習を一緒にしたり、歌ったりしてきました。

 

 この曲は、童謡の曲としては、使われている音の種類が比較的多く、初心者の方には必ずしも易しいとは言えない部分もあるので、最後まで弾けるようになる生徒さんもいれば、主に歌中心となった生徒さんもいました。

 

 ただ季節柄もあり、また幼稚園や保育園で馴染みの曲なので、生徒の皆さんには、抵抗感無く楽しんもらえたように思いますし、日頃にも増して大きな声(!)で「こいのぼり」を歌ってくれたりしていました。

  

 これからも、生徒の皆さんが親しみの持てる曲を出来る限りレッスンに取り入れて、生徒さんと音楽やピアノとの間にある「垣根」を低くし、例えば家でも自分からピアノに向かう機会が自然に増える等のことにつながればと考えています。


<「大きな鍵盤」を使ったレッスン> 

2018.4.28 更新

 ゴールデンウィークの初日! 街中に買い物に出てみると、すがすがしい陽気の中、あちこちでイベントや売り出しをやっていました。行き交う人ものんびりとしていてリラックスした雰囲気でした。

 

 さて、今回は、最近レッスンで使ってみた、模造紙で作った「大きな鍵盤」(下記の写真参照)についてご紹介します。

 

 幼稚園や保育園などの初心者の生徒さんのレッスンでは、ピアノを弾くだけでは飽きてしまうので、ドレミ(階名)で歌う、童謡を歌う、音符カード(4月8日の「レッスン室便り」参照)でドレミを覚える、ノートに音符を書く等のことを取り混ぜています。

 

 ただそれでも45分のレッスンの間、集中力を持ち続けてもらうのはなかなか大変です。そこで最近、私が歌った音符を、生徒さんにうちわを使って「大きな鍵盤」上で指し示してもらうと言った遊びをレッスンに取り入れてみました。

 

 そうしたところ、この大きな鍵盤を使った「遊び」は、予想以上に盛り上がり、生徒さんがゲーム感覚で熱中し、音符の勉強がはかどりました。

 

 生徒さんによっては、まだカタカナを勉強中という場合もあり、「大きな鍵盤」上では、「ド」はドーナツ、「レ」はレモンのイラストなどを補記していますが、これも分かりやすかったようです。

 

 生徒さんに、音楽やピアノを、楽しいもの、身近なものと感じてもらうのが、レッスンを進めて行く上で大切だと考えていますので、これからもいろいろと工夫して行きたいと思います。 


<新しい曲の「ハードル」について> 

2018.4.21 更新

 今日は初夏の陽気で、春を通り越して一気に夏になったようでした。それでも日が傾き、夕方になると、春らしい爽やかな風が吹いて、ホッとしました。

 

 さて今回は、生徒さんにレッスンで新しい曲に取り組んでもらう際の方法についてご紹介したいと思います。

 先生によっては、新しい曲の場合でも、「宿題」として、生徒にゼロから譜読みをさせ、自力で弾いてくるように指導をする場合があります。

 

 しかしこうした方法ですと、生徒さんが家に帰ってから、「弾き方が分からない、音が分からない」ということになり、次回のレッスンまでの練習が滞ったり、ピアノへの苦手意識を持つようになったりということがあります。

 

 そこで当教室では、いきなり「宿題」として出すのではなく、まずは生徒さんと一緒に右手、左手、それぞれの譜読みをして、分からない部分が無いことを確認し、難しい音の読み方やリズムの取り方などを説明します。

 

 そして生徒さんに、出来れば数回その曲を弾いてもらいます。こうすることで、生徒さんが曲に慣れ、メロディーが耳に残って、家に帰ってからの練習がはかどるようです。

 

 多少甘さもあるかもしれませんが、こうした方法を採ることで、生徒さんが、家での「宿題」をスムーズに進めることが出来、またレッスンに行きたいと思ってもらえるものと思います。

 

 練習への「ハードル」を適度に低くすることで、ピアノが自然と好きになり、音楽を楽しいものと感じてもらえるようになればと考えています。


<「使用教材の流れ」について> 

2018.4.15 更新

 新学期も始まり、街中では初々しい新入生を見かけます。当教室でも生徒さんたちが張り切って新しい学年のスタートを切っています。こちらも気持ちを引き締めてレッスンに臨んでいます。

 

 さて、これまでも「レッスン室便り」で、折りに触れて使用教材について取り上げて来ましたが、今回、これについて新たに「使用教材の流れ」という項目を作りました。

 

 当教室では、生徒の皆さんが、無理なくレッスンを進められるように、生徒さんの学齢やご希望などに応じて、テキスト選択をしていますが、「使用教材の流れ」では、具体的なテキスト名も含めてご説明していますので、是非ご覧下さい。


<「音符カード」使ってます> 

2018.4.8 更新

 例年より多少長く楽しめた桜もほとんど散ってしまい、早くも青葉の季節かと思っていたところ、今度は一足飛びに夏日となる等、季節の巡り方が少し慌ただしい感じです。

 

 さて、今回はレッスンで取り入れている「音符カード」についてご紹介したいと思います。実はピアノの曲は、何度も弾いていると頭と手が覚えてしまうということがあり、これはこれで練習の成果ではありますが、時としてしっかり音符を読んで弾いていないのでは、と感じることがあります。

 

 そこで「音符カード」の登場となります。「音符カード」は、トランプくらいの大きさのカードで、表面には音符が書かれていて(下記の写真参照)、裏側には、その音符の読み(ド、レ、ミ等)を書き込むものです。

 

 当教室では、ある程度慣れて来た生徒さん(初級レベル)には、レッスンで弾いている曲に出てくる「音符」が書かれた「音符カード」を渡しています。最初は一緒に音符の「読み」を確認し、カードの裏側に生徒さん自身の手でその「読み」を書いてもらいます。 

 そして次回以降のレッスンでは、このカードをトランプのようにバラバラにして、カードの表面(音符が書かれている面)を生徒さんに見せて、音の「読み」が正しく出来るのかについて確認します。

 

 レッスンで「音符カード」を使うのはほんの数分ですが、クイズ形式で楽しみながら答えるうちに、自然に読譜力がついて来ます。

 またもちろん強制ではありませんが、家でも「音符カード」を使っての練習をゲーム感覚で行い、更に効果を挙げている場合もあります。

 

 こうして楽しみながら、読譜力を養うことで、生徒の皆さんに、音楽を更に身近なものと感じてもらえればと思っています。


<初心者の方のテキストについて> 

2018.4.1 更新

 今日から4月! すっかり暖かくなり、洋服は半袖か長袖かで迷う程になりました。

 

 さて最近幼稚園や保育園でよく歌われている「エビカニクス」という曲をご存知でしょうか。とても楽しい曲で、踊りの「振り」もついています(You Tubeでも配信)。

 今回、私が作っているレッスン用の「童謡曲集ノート」にこの曲を加えてみました(下記の写真(左側)を参照)。生徒さんと一緒に弾いたり、歌ったりして、レッスンをより楽しいものに出来ればと思います。

 

 ところで、以前、こうした「童謡曲集ノート」と併用する初心者の方向けのテキストとして、「うたえる! ひける! ピアノ曲集」をご紹介しましたが(3月11日の「レッスン室便り」参照)、今回は その他のテキストについてもご紹介したいと思います。

 

 生徒さんによっては「ピアノひけるよ! ジュニア(1)」を使っています。これも幼児向けの初心者レベルのテキストで、誰もが知っている童謡を取り上げています。またこの本は、楽譜が横型なので(下記の写真(右側)を参照)、背の小さい生徒さんでも見やすく、音符が大きく、挿し絵も可愛いのが特徴です。

 

 この他、バイエルを使う生徒さんには、「こどものための名曲集」を併用することも以前ご紹介しましたが(3月18日の「レッスン室便り」参照)、「バイエル」併用のためのテキストとして、この他「ピアノの森」シリーズを使うこともあります。このテキストはバイエルのレベルに応じてテキスト編集がされているので、無理なくレッスンを進めることが出来ると思います。

 

 テキストの選択については、生徒さんや保護者の方との話し合いの中で、ご希望を踏まえつつ、各々の生徒さんに合ったものを選ぶようにしていますので、初回の「見学」や、「体験レッスン」の際等に遠慮なくご相談下さい。